声を出して 42

「ごちそうさま。」 

思った通りだった。 

自分は大丈夫だと言っていても大丈夫のはずがない。 

「ま・・・待って・・・」

 食欲がないと言っても食べずに出かけてはいけないと、お袋が用意したヨーグルトをペロリと平らげて立ち上がるハニは、やっぱりハニだった。 


「待てられない。エンジンをかけて車の中にいるから。」 

今日と明日大学に行ったら、その翌日は結婚式だ。

 この二週間、バタバタと忙しくて落ち付いて勉強は出来なかったが、今日は授業のコマも一つしかないからハニの最終の授業が終わるまで、図書館で待っていてやるか。 


「お待ちぃ~」 

「待った。」

 「嫌味。」

 そのスンジョの嫌味さえ、今のハニには神から降りて来た尊い御言葉だった。

 「スンジョ君の言うとおりだった。アイスクリームなんて、溶ければ牛乳と同じだと思っていたけど、案外あの時間に食べて寝るだけでも消化しないのだと知って・・・今は後悔している。」

 ハニが後悔をしているというのは間違いではないだろう。

 シュンとして俯いているのは、反省している証拠でもあるが、同じ過ちを繰り返すのがハニだ。 


「ずっと図書館で本を読むのも疲れるでしょ?待たなくてもいいから帰ってくれても・・・・」 

そんな事を言っても、ハニはスンジョが待っていてくれると言った事は、跳び上がりたいほどに嬉しい事だった。 

「図書館で貸出しの出来ない本が読みたいんだ。ハニを待っているのは、ついでだ・・・・・・」 

ついでだと聞いたハニは少しがっかりとした感じの表情をしたが、それはそれで待っていてくれることは無条件に嬉しかった。 



ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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