スンジョの戸惑い 93

ふて腐れたスンジョ白雪姫のミュージカルは、決して面白いものではなかったが、意外な代役に講堂は拍手と歓声が鳴り止まなかった。

「アカン・・・・・・・今年は1クラスに優勝は持ってかれる・・・・・」

高2が行う舞台は毎年7クラスが優勝していたが、パラン始まって以来の天才でビジュアルも完璧なスンジョのファンは多い。

女子だけではなく、男子からもその完璧な行動を憧れられていた。

「ええかぁ~ハニ、ここは皆から評価されるようにせんと・・・・・」

「評価?」

「そや。リアルん~~~~や」

唇を尖らせて、その唇に指をチョンチョンと触れた。

まさか・・・・・・・・

「だって・・・学校だよ・・・・・・・保護者の方も教頭先生もいるし・・・・・・」

そう、ジュングはオーロラ姫が、目覚める時に受ける王子からの熱いキスの事を言っていた。

ハニはジュングにリアルキスを拒否したものの、ずっと優勝が続いている2年7クラスの優勝のプレッシャーを感じていた。

何年も2年7クラスが優勝をしている。

自分の学年でそれが途切れたら・・・・・・・

し・・仕方がないよね?

ちょっとホッペにするだけでもいいよね。

段々と、その場面が近づいて来た。

セリフは緊張で忘れそうだし・・・・・ジュングは幕間の時にさりげなく『ハニ・・ええな』と言って来る。

ジュングは好きだけど・・・・・・いくら頬っぺたにするにしても、やっぱりキスはスンジョ君しか・・・・・・

いよいよその場面、ゴクリと唾を呑み込んで、覚悟を決めて目を瞑って、ハニはジュングの顔に近づいた。

「オーロラ姫、私の口付けで目覚めておくれ。」

ハニがジュングの顔に近づけた時、どこからかテニスボールが飛んで来て、ジュングの頭に当たった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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