ハニの戸惑い 1
『ハニと結婚がしたい』
フフ・・・・フフフ・・・・・
信じられない。
私と付き合いたい、じゃなくていきなり結婚がしたいって・・・・・・・
「寝ないのか?」
ドキッと飛び上るほどにその声に驚いた。
「スンジョ君・・・・・・・」
「雨が上がったな。」
いつもは怖くて見られなかったスンジョ君の顔が、今日はなんだかすごく優しくて近くに感じる。
「眠れなくて・・・・・フフ・・・・・夢みたい?」
「何が?」
「スンジョ君が私の事が好きだったなんて・・・・」
隣にいる笑顔のスンジョ君を、私は初めて見た気がする。
「クシュンッ!・・・・・さぶ・・・・」
「湯冷めするぞ。」
そうスンジョ君が言ったと思ったら、後ろに回って私を抱きしめてくれた。
背中に感じるスンジョ君の温もり。
お風呂上がりのスンジョ君の身体から香る、スンジョ君お気に入りのボディーソープの香り。
こんな事今までされた事がないから、どうしていいのか判らなくて身体に力が入ってしまう。
スンジョ君の胸って・・・・・・温かくて広かったんだ。
「どうした?」
「これは夢で、明日の朝になって目が覚めたら、またいつものスンジョ君に戻っているのかなって・・・」
「一緒に寝るか?」
「ううん、そういう事じゃないの。」
「そうだな・・・・結婚したいと言ってすぐにハニと一緒に寝たら、それこそをお袋の思う壺だ。知っているか?今も階段の所からこっちの動きを見逃さないようにと、写真を撮ってる。」
スンジョのわきから階段を覗こうとすると、ハニの耳元に顔を近づけた。
「ハニのお母さんのお墓にも行って結婚許可を貰わないといけないし、二人っきりでいるのがきっと難しいから、結婚する前に一度星屑湯に行こうか?」
スンジョ君は私が階段の方を見ようとすると、サッと向きを変えて階段の方からは私とスンジョ君がキスをしているように見える角度に顔を向けて教えてくれた。
そう後から、わざとそうして顔を近づけていたと言う事を聞いた。
家族への結婚宣言から、スンジョ君がすごく優しくなって私の戸惑いがこの時から始まった。
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