ハニの戸惑い 16
「行こうか・・・・・・」
スンジョに背中を押されて、二人はハニの部屋に一緒に入って行った。
物陰から黒い影が、その様子を伺っている。
「ス・・・・ス・・・」
「いいか?振り向かずに・・・・普通にオレの言う事を聞くんだ・・・・お袋がまたカメラを構えている・・・・ほら、振り向くなと言っただろう。」
スンジョ君・・・そう言われても、こんなに密着していると私恥ずかしいよ。
心臓がバクバクとしているのが、スンジョ君に聞こえそうな気がしてチラッと見ると目が合っちゃった。
「ん?どうかしたのか?」
なんでもないと、首を横に振って一緒に部屋の中に入った。
「お袋が、ドアに耳を当てて聞いているから小さな声で話すぞ。」
「や・・・・やだ・・・・くすぐったい・・・スンジョ君・・・」
「ほら、ジッとしていろ!」
「まぁまぁ、まぁまぁ、こんなにラブラブな二人なら、早くお式を挙げて部屋を一緒にしないと・・・・・・」
グミは、ハニの部屋のドアに耳を当て、中から聞こえてくる二人の会話を盗み聞きしているが、勿論すべての話が聞こえているわけでもない。
パーティー大好きグミにしたら、スンジョとハニの結婚式は何を言われようが、思う通りに賑やかに挙げたいと思っていた。
「ママァ・・・・もう部屋の様子を伺ったりするのはやめなさい。」
「だって、毎日二人を見ていたのに、星屑湯での作戦は失敗したから、せめて家でラブラブな二人を見てみたいの。」
ハニの部屋の中では、廊下のグミとスチャンの話は丸聞こえだった。
「明日さ!学校の帰りにハニと話がしたいから、先に帰らないで待っていろよ。」
「何の話?」
「明日、帰る時に話すよ。家だとお袋がオレ達の行動が気になるみたいだから、大切な話も出来ない。」
大切な話し?
気になるぅ・・・・・
聞きたいけど、もしも悲しい話だったら辛いから聞けない。
「もう少しハニも寝ろよ。妊婦は疲れやすいから、雑誌ばかり見ていないんだぞ。」
「はーい、お休み。」
「お休み」
いつも家族の内緒でしていた、お休みのあいさつのキスをして、二人はそれぞれの部屋に分かれてベッドで休んだ。
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