小さなライバル達(スンハ) 36
スンハは学校から帰って来ると、おやつも食べないでスンリを自分の部屋に連れて行くと、そのまま一度も部屋から出て来なかった。
「ハニちゃん、スンハとスンリは最近仲が随分といいわね。さすがに両親の仲が良いと兄妹も仲が良くなるみたいね。」
「せっかくミアがふたりの好きなお店のケーキを買って来てくれたのに・・・・」
「お姉さん、私がスンハちゃんの部屋に持って行きましょうか?」
ミアはケーキと紅茶をトレイに乗せて、スンハの部屋に持って行った。
____コンコン
「スンハちゃん・・・・ケーキを持って来たけど・・・・・・開けてもいい?」
「あっ!ちょっと待ってて!!スンリ・・・いい?まだ決定じゃないから内緒にするんだよ。話したら、スンリの秘密をみんなにバラスからね。」
「判った!!僕、約束を守れるよ。」
スンハはノートを急いで机の引き出しに隠した。
「ミアおばさん、入っていいですよ。」
ミアがケーキと紅茶を持って入って来ると、スンハは何事も無かったように普段と変わらない顔でベッドに腰掛けていた。
「わぁ~、もしかして<ハンナおばさん>のケーキ?」
「そうよ。新作が並んでいたから買って来たの。スンハちゃんとスンリ君は<ハンナおばさん>のケーキ、好きだったでしょ?」
ミニテーブルの上に置くと、スンハとスンリは新作のケーキを直ぐに食べ始めた。
「スンハちゃんたち、今日はどうして部屋から出て来ないの?」
「スンリが今度小学生になるから、お勉強を教えていたんだよ。」
「うん!!僕ね、アッパみたいなお医者様になりたいから、勉強を頑張るんだ!」
スンリもさすがスンジョの遺伝子を受け継いでいるからなのか、隠し事をする時は表情も変わらず平然とした顔で言う。
「そうなの・・・・・じゃあ、おばさんはすぐに出て行くね。」
ふたりは大好きなオンマとよく似たミアおばさんを騙している事に少々悪い気はしていた。
それでも<兄弟同盟>は、大人たちに気が付かれないように動き出す準備を始めていた。
0コメント