小さなライバル達(スンハ) 35
「スンジョたちに子供が多いから出て行くと言わないで欲しい。改築が住んだらワシらの寝室をリフォームしてスンジョが達が使えばいいだろう。ママだってハニちゃんとミアや孫たちと離れたくないんだろ?」
スチャンは見取り図を眺めながら、一つの案を提案した。
「パパ・・・いいの?」
スチャンはいつもグミの見方。
それがスンジョを悩ます原因になっているが、父スチャンにとってグミがいるから今の幸せがあると思っている。
「そこまでしなくても・・・・」
と、スンジョは言いかけたが、幼い頃に母親を亡くしたハニにとっても、グミは実の母親の代わりだという事を思い出した。
「ハニ・・・・親父の提案を受けるか?」
「その方が私も嬉しい。本当のことを言うと、お母さんやミアと離れるのが辛かったの。」
別居をしなくても済みそうだと知ったハニの、なんとも言えないホッとした笑顔に自分の提案を却下する事にした。
スンジョも父同様、自分の幸せはハニの笑顔を見る事だと思った。
「お姉ちゃん・・よかったのかなぁ・・・・・僕よく判んないけど、オンマが嬉しそうにするとアッパも嬉しそうに笑うね。」
「まぁね、結局アッパもおじいちゃんと一緒なのよ。子供よりも自分の奥さんが一番大切なんだから。スンリもスンミもアッパとオンマにとって、どうでもいいのよ。」
スンハは、結局アッパは自分たち家族が幸せでいるのかよりも、オンマが幸せそうに笑う事だけが一番の幸せだと思っていると思ったのだ。
「行くよ・・・」
「どこに行くの?」
「お姉ちゃんと作戦会議をしに行くの。」
「作戦会議?」
スンハは弟スンリの腕を引っ張って、自分の部屋に強引に連れて行った。
スンハは床にノートとペンを持ち出して、なにやら書き始めた。
それをスンリはただ黙って見ていた。
「スンリは、男の子だからアッパの見方になるの?」
「どうして?」
「お姉ちゃんは今から兄弟同盟を作ろうと思うの。」
「兄弟同盟?」
「スンリは四人兄弟になるんだよ。次に産まれるのは弟なのか妹なのか・・・・・・私のクラスの子達は、妹か弟が産まれる時は、産まれる前に親たちはどっちが産まれるのか聞くんだって。」
スンハの話を尊敬の眼差しでスンリは聞いていた。
「うちは普通の家じゃないの。おばあちゃんはアッパのお母さんなのにオンマが大好きで、アッパは病院では<冷静沈着な外科医>で通っているの。でも・・・・家ではどう思う?」
「カッコいいアッパだぉ。」
「幼稚園のスンリには難しいか・・・・・・・・アッパはスンリに焼きもちを妬いているのを知ってる?」
「餅(トック)?」
「違う・・・・・違う・・・・スンミをアッパが一番可愛がるのは、スンミがオンマとそっくりの顔と、性格だからなの。確かに私の顔はオンマに似てスンリの顔はアッパに似ているけど、頭はアッパに似ているから可愛くないんだよ。自分に似ているから好きという人もいるけど、アッパのあの性格はいいものじゃないからね。」
「嫌われているんだ・・・・・・・・」
図に書いて説明をする訳でもないのに、矢印を書いたりハートを書いたりしている姉をスンリは不思議そうに見ていた。
「スンリは顔も頭もアッパに似ているから、オンマが好きなのは判っているんだけど、私は両方に似ているのに相手にもしてもらえない。だから、これから兄弟の役割を考えるの。」
スンハの部屋で姉と弟が何かをしている事を、まだ誰も知らない。
まだ見ぬ小さな仲間の事も<兄弟同盟>の一員として加えられていた。
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