小さなライバル達(スンハ) 34
「ダメよ、ダメ!そんなの。」
両親とおじいちゃんとおばあちゃんが、何やら深刻そうに書斎に行った事が心配になって、スンハとスンリはドアの隙間から様子を伺っていた。
スンジョはスチャンとグミに、自分たち家族はこの家を出て近くに家を購入してハニの父ギドンと住もうと考えている事を話した。
「お姉ちゃん・・・・・おばあちゃんの家から僕たち出て行くの?」
「黙っていなさいよ。まだ、判んないから・・・・」
スンハは弟スンリの口を押えながら、書斎の中の様子をじっと見ていた。
「お袋がそう言うと思ったよ。」
「家族が増えるのはいいけど、減るのはダメよ!」
「ママもそう言うけど、スンジョだって自分の家を持ち、家長として独立して持ってもいい年齢だよ。」
グミは自分の膝の上で笑っているスンミを、離したくない気持ちを表すように抱きしめている。
お茶を持って来たミアの顔をハニはそっと見た。
ハニとミアは、お互い一人っ子だったから、ミアとウンジョが付き合い始めた頃から本当の姉妹のように暮らして来た。
「あの・・・お兄さん・・・・私とウジョンが家を出た方が・・・・・・私は次男の嫁なので・・・それが普通だと思うので。」
「ミア・・・・あなたが家を出て、ウンジョが帰って来るまで一人でウジョンを育てるなんてダメよ。」
スチャンは、何か考えていたかと思うと、立ち上がって机の引き出しの鍵を開けて家の見取り図を取り出して広げた。
「パパ・・・どうかしたの?」
「スンジョ、ハニちゃん、ちょっとここを見てくれないか?」
スチャンが指を指した所は、ガレージ横のグミが普段使っている部屋。
趣味のカメラで写した作品の保管したりしているアトリエ兼部屋だ。
「この部屋を少し大きくして二階建てに直して・・・・・。ギドンをまた呼んで三人で暮らせばいい。どのみち、ウンジョが帰って来たら社長職をウンジョに譲り会長になろうかと思っていたんだ。」
「パパ!なんて素敵な考えなの?」
グミはそう言ってスチャンに抱きついた。
「スンジョたちに子供が多いから出て行くと言わないで欲しい。改築が済んだらワシらの寝室をリフォームしてスンジョが達が使えばいいだろう。ママだってハニちゃんとミアや孫たちと離れたくないと思うよ。」
スチャンは見取り図を眺めながら、一つの案を提案した。
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