言えない恋じゃないけれど(スア) 81
海外で生活をしているスンミ夫妻が一時帰国をすると、スンハと義兄のインスンに子供のインハとインミ、スンリ兄さんとソラ義姉さんとリラとハラ、スンギ兄さんと義姉のマリーさんとジュリアン、スンスク兄さんとミレとフィマン。
ペク家の兄妹だけでもかなりの人数。 おまけに、姉さんたちの配偶者の家族にスアの友人たちに対して、スンの方は一人っ子だから両親と祖父母だけしかいないから、何ともアンバランスな割合。
お父さんの考えで、病院内関係者はスン側に参列してもらった。
生れた時からずっと一緒だった妹は、式が終わると人妻か・・・・・
意外だった。
ギルさんの事は本気だと思っていたのに、案外早く次の男を見つけて、大学に行くのを止めてサッサと結婚を決めた。
「スング、これ受け取って。」
手にしていたブーケをスアはスングの手に持たせた。
「おい、普通はブーケトスをするだろう。ミレもインミもリラとハラにジュリアンや看護師たちの未婚の女が年齢問わず、待ち構えているのに。」
「いいの、双子で一緒に生れたのに、私だけが幸せになって悪いじゃない。スングも早く彼女を見つけて・・・・・あっ!いいっかぁ、空港であったちっちゃな女の子とお似合いだよ。デカいスングと。」
オレは誰に似たのか、自分の気持ちを誤魔化す時は、ついつい意地悪な口調になってしまう。
「ところで・・・・スア・・・・・」
「何?」
「お前って、そんなに胸がデカかったか?」
バシッ! 花嫁が真っ赤な顔で、男の頬を叩けば、それを見ない人はいない。
この思いもよらない事をするところは、オ・ハニの血を確実に受け継いでいる。
「嫌らしい目で見ないで!自分の胸よ。」
「嫌らしい目で見なくたった胸がそれだけ開いていれば、誰だってそう思う。」
ガツン!
ドレスの裾を捲り上げてスングの向う脛を蹴った。
「スングなんて大っ嫌い!このドレスはスンが選んでくれたんだから・・・・・・」
謝らないよスア。
これがオレ達の最後の兄妹喧嘩だから。
幸せになれよ、生れなかったオレ達の兄か姉の代わりに。
「スア、スンだけを好きでいればいいよ。お母さんがお父さんだけが好きなように。」
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