声を出して 39

ハニにはっきりと言えばよかったのかもしれない。


ハニのお母さんとおばあさんが眠るお墓に行って、ちゃんと結婚をする事のお許しを貰いに行きたいと。

 日にちに余裕がない事は判っていたけど、結婚したいという意思を伝えてから、その場にいなかった二人に報告をして、オレが医学部に復学し、ハニが順調に大学を卒業して、親父の会社が軌道に乗って・・・・・その後は、オレが医学部を卒業するまでハニが夢見ていた恋人として過ごして、医師としてある程度勤務をして落ち着いた28歳頃に結婚をしようと思っていた。 


まぁ、お袋が言うようにインターンシップや他の様々な事が終わってからでは・・・・と言う事も分からないではない。

 高校3年の時から同じ家に住んでいて、同居人から恋人になるだけの事と思っていては、近所や世間の目も気にしないといけない。 


それでも、ハニのお母さんやおばあさんに報告をしてから、ドレスや指輪を選んでもいいと思った事を、ハニに言っていれば喧嘩をしなくてもよかった。

 助手席に座って、指を折って結婚式の日を数えているハニの嬉しそうな顔を見ていれば、ちゃんと声に出して言っておけばよかったと、いまさら後悔している。 


「でね・・・引き出物もおばさんと決めちゃったよ。スンジョ君に相談をしないで決めてごめんね。」 

「それは、オレじゃあよく判らないから、お袋と決めてもいいよ。」 

「このホテル・・・いいね・・・でも、ちょっと高いな。」 

「そうだな。ドラマのロケにも使われているし、ドラマ好きな人には人気らしい。」 

「ダメだって判っているけど、このホテルにしたらダメかな?新婚旅行って結婚式と同じでたった一度だけの事だし、彼氏がいる子たちみたいに一緒に旅行に行った事もないから・・・」 


スンジョ君はきっと『ダメだ』と言うと思うけど、一度だけの事だし思い出も出来るから、こんな素敵なリゾートホテルに泊まったらどんなに素敵か・・・・・・


「いいよ。」 

「本当?高いよ?」 

「オレが資金を出すわけじゃない。お袋が勝手に決めた結婚式だから、お袋のへそくりで出させりゃいいさ。」

 「おばさん、そんなにへそくりを持っているの?」 

「カメラで小銭稼ぎをしているからな。」

 「小銭稼ぎ?」

 グミは自分の趣味のカメラで、アマチュア作品として撮影した写真をよく投稿していた。

 スンジョはその事を知っていて、小銭稼ぎと言ったのだった。 



ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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