声を出して 65

コロコロと転がる指輪に、スンジョ君はきっと怒っているだろうなと思う気持ちで緊張が一気に解けて、私はやっと手の震えが止まった。


スチャンの椅子の下で転がりが止まった指輪をミナとジュリが受け取ると、指輪の交換が再開する事が出来た。

「ハニ・・落ち着いてね。」

こんな時に親友が介添人になってくれていて良かったと思ったのは、ハニだけではなくスンジョも同じだった。

もう大丈夫。

だって、二度も同じ失敗をしたらスンジョ君が怒るから。


指輪をはめながら、ハニはふとウンジョから聞いたお祝いの言葉を思い出した。

「私の事、もうずっと前から好きだったくせに。」

ビクンとわずかに動いたスンジョの身体がハニにもその事が図星だったと判ると、何か初めてスンジョを動揺させたことが嬉しくなった。

「ずるいよ・・・眠っている時にキスをするのは。ペンションに行った時に二度目のキスだったんだよね。」

「な・・・・」

面白い。

スンジョ君が私をからかうのが面白いと思うのと同じ。

それなら、もっとスンジョ君に意地悪をしてみよう。


ハニはニヤッといたずらっ子のような顔になると、両手でスンジョの頬を挟んでキスをした。

目を丸くしているスンジョの目を、逸らすことなくしっかりと合わせてフフッと笑うと呟いた。

「ざまぁみろ・・・ベーだ・・・・・」

スンジョだけじゃなく、二人を見ていた人たちからも笑いと歓声が沸き上がった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

0コメント

  • 1000 / 1000