スンジョの戸惑い 18

ハニの口を塞いだ手の中で、柔らかなふっくらした唇が、モゴモゴと動いた。

スンジョの大きな手は、ハニ口だけじゃなくの鼻まで押さえていた。

―― ガタン

ハニが一瞬、動いて傍の椅子に肘が当たった。

「誰かいるのか?」

スンジョは、指を1本唇に当てて、静かにしろよというように合図をハニに送って立ち上がった。

「先生、すみません。集中して読みたい本があったので、誰もいないこの教室に無断で入りました。」

「スンジョ、君ひとりか?」

「はい。何かあったのですか?」

「さっき、髪の長い女の子が・・・」

「誰も来ませんでしたよ。」

先生に密告した生徒は不思議そうに首を傾げたが、教職員に信頼されているスンジョを疑うことはなく、君の見間違いだと言うことで簡単に話が付いた。

「もう少し本をここで読んでいたいので、ここにいても良いでしょうか?」

「君が集中して本を読みたいのなら許可をしよう。あとはきちんと施錠をしておいてくれれば。」

先生がドアを閉めて廊下を歩く音が遠ざかるまで、ハニは机の下に隠れていた。

「すごいね、スンジョ君の信頼って・・・・・・・」

立ち上がったハニはスンジョの信頼に感心しながら、先生と生徒が帰って行った方を眺めていた。

スンジョといえば、手に触れたハニの唇の感触がいつまでも残り身体中が熱くなって来た。

自分にはないと思った感情が、奥の方からフツフツと湧き上がってくるような気がした。

いつまでも、良く動いているふっくらしたハニの柔らかい唇に触れたい・・・・・・いや、ダメだ。

そんな俗的な感情が抑えきれなくなり、思いもよらない行動をしようとしたスンジョにハニは驚いた。

「ス・・・・・・スンジョ君?ここは教室だよ・・・・」

ハニに言われて我に返った。

すぐ目の前のハニの目はビックリして大きく見開らかれていた。

「面白れぇ顔!オレが、お前にキスでもすると思ったのか?」

ハニをからかったように言って自分の心をごまかした。

「からかったの?ヒドォーイ」

バシンと思いっきりハニに突き飛ばされて、油断をしていたスンジョは勢い余って後ろに倒れこんだ。

掴んでいたまま倒れ込んだスンジョは、ハニの腕を引っ張って。

スンジョの身体に覆いかぶさったハニは、意外と軽くて身体を起こそうとして触れた腰は細くて、それでも女の子の身体が柔らかいのを知った。

自分の胸に感じる更に柔らかな二つのふくらみ。

「ゴメンね・・・重いでしょ。」

ハニが身体を自分で起こそうとしたその時、スンジョは自分の心の奥で湧き上がってきた感情を隠すように、意地悪アナ言葉を放った

「お前・・・・そんな貧乳で子供が育てられるのか?」

スンジョのその一言で、ハニは思いっきり傍にあった本をスンジョに投げつけて立ち上がった。

「サイテー!!」

顔を真っ赤にしてハニは教室から出て行った。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

0コメント

  • 1000 / 1000