スンジョの戸惑い 29
「何って・・・・・・・・」
ミナとジュリが拾い上げた一枚の写真を受け取ると、ハニは自分の目を疑った。
「えっ?えーーーーーー!!!!」
ジュングは、ハニとスンジョのオデコが付くほどに近い二人の顔の写真を見て卒倒していた。
「どういうことって・・・・・・・・」
「どこで勉強していたのよ、どう見ても学校ではないよね。」
「誰かの家?・・・・・まさか・・・・・お世話になっているおじさんの友人宅って・・・・」
ミナとジュリの声とジュングが泣きわめく声で、生徒が集まりハニが持っている写真を覗き込んで口々に驚きの声が上がった。
「スンジョ君の家なの・・・・・・パパの友達が、スンジョ君のお父さんだったの・・・・・」
「っていうことは・・・・・・・・」
ハニが落とした写真だけではなかった。
テスト終了で、パソコンルームが解禁になり、一斉に生徒たちがパソコンの電源を入れて起動した。
生徒たちの検索した先は、パラン高校生ならだれもが知っている有名ブログ。
【ファン・グミのお楽しみ】
スンジョファンの女子たちの悲鳴や男子生徒のどよめきが、パラン高校中に響き渡った。
その騒動を知らないのはスンジョとハニだけ。
それもスンジョは、ハニがもっていた写真の事も知らない。
スンジョも一人のクラスメートからのメールで、パソコンルームに走った。
<パソコンルームに直ぐ来い。事件発生!>
廊下にいる生徒が歩いているスンジョの方を見て、何か話しているのは判った。
それが良いことでもないような気がして、ただ一番奥にあるパソコンルームに向かって走る。
部屋のドアを勢いよく開けると、視線が一気にスンジョに注がれた。
スンジョがいつも使う座席のパソコン画面を見ると、そこに映し出されている画像に唖然とした。
なんだ?これは・・・・いつ?いつ撮ったんだ?
他の座席のパソコンも同じ画面を開いていた。
お袋・・・・・何もこの写真まで公開しなくてもいいのに!全く、何を考えているんだ。
いつも冷静な判断が出来るスンジョでも、今日は怒りが治まらないと言った様子で、今度はまた今来たばかりの廊下を走って校門を出た。
「お袋!!」
スンジョが家に帰ると、グミとハニ、ミナとジュリがお菓子を食べながら話していた。
スンジョが血相を変えて家の中に入ってきた様子で、ハニたちはその冷たい眼差しに震えて来た。ただ一人グミだけは、平然とスンジョと向かい合った。
「直ぐに、ブログを閉鎖しろよ。」
「何故?いやよ。」
さすが母親。
スンジョの冷たい言葉にも、負けないくらい冷たく言い放った。
「法律に反することはしていないわ。嫌なら見なくてもいいでしょ。」
「学校中の皆が見て、噂をしてるんだぞ。オレに迷惑が掛かっているって解っていないのか?」
「迷惑?噂になったって良いじゃないの。だって、スンジョはハニちゃんが好きなんだから。」
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