スンジョの戸惑い 43
手渡されたメモを見て、自分のいる所よりも離れた場所にいるスンジョを見た。
どうしよう・・・・・・スンジョ君に相談した方がいいのかな?
でもきっと言うよね、『自分の事は自分で考えろ。小学生じゃないんだから』・・・・って。
おばさんも言ってたっけ、たまにはお兄ちゃんを困らせてみるのもいいわよって。
ああ・・・どうしよう・・・・・ 私が好きなのはスンジョ君だけなのに・・・・・・ ハニがポンポンと頭を叩いていると、スンジョが本から顔を上げてハニの方に向きを変えて近づいてい来た。
「わっ!!」
咄嗟にハニはメモをポケットに隠した。
「何が、わっ!!だ。ポケっとしてないで降りるぞ。」
ポケット??仕舞わないで???
見つかったの?
スンジョに言おうとしたハニだが、取り巻きの女の子たちが、スンジョがハニに話しかけた事で恐ろしい形相で睨みつけた。
待ってよースンジョ君。
ハニのやつ何を慌てているんだ、挙動不審な動きで・・・・お前は、無駄な動きが多すぎるんだ。
その時、スンジョのポケットの中の携帯が鳴った。
ハニからのメールだな。 ハニの好きなアイドルの着うたを、スンジョの知らないうちにグミが設定したままになっていた。
当然、取り巻きの女の子たちも、それがスンジョの好きなアイドルだと思い、真似ている人やそのアイドルのグッズを身に付けて、自分をアピールしている子たちが沢山いた。
当のスンジョは、そのアイドルがどんな顔かも全く知らないし興味が無かった。
<スンジョ君・・・見てたの?>
<<バ~カ、間抜け面しているお前の顔を朝から見るか>>
良かった・・・・スンジョ君は見ていなかったんだ。
メモをもらったら・・・やっぱり登録しないといけないよね。
ハニは頭は悪いが、どういうわけか携帯の操作だけはスンジョ並みに出来た。
えっと・・・・ 「アドレス登録しました。私は、パラン高校のオ・ハニです。ヨロシクね(^_^)v 」
礼には礼を尽くせって・・・・・人類みな兄弟・・友達の友達は友達・・・・
これが私のモットーだから。 ハニのこの行動が、どんなことになるのか判る人には判る本当に単純なハニの行動。
「おはよー」
後ろからミナとジュリが背中を叩いて挨拶をして来た。
「ぉはよー」
「何かいいことでもあったの?大好きなペク・スンジョから離れてるよ。」
ハニとスンジョが一緒に住んでいることは知っているが、付き合い始めたことは親友のミナたちも知らなかった。
「あのね・・・・、今日アドレスを書いたメモをもらったの・・・・・」
「誰から?」
「誰かなぁ・・・・・・テハン高校の制服だけど・・・・・私はスンジョ君以外の人は知らないから・・・・・・・」
「知らないじゃなくて、興味が無いんでしょ?その人がイケメンだったって聞いても無駄だし・・・・・・」
「でもいいんじゃない?世の中男子の方が多いんだから、片想いのペク・スンジョを諦めて、その人と会ったらいいじゃない。」
それもそうだなとハニは思って、何時ものように7クラスの教室に入って行った。
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