スンジョの戸惑い 44
なんだ?アイツ・・・朝から携帯の画面に必死になって、勉強もそれくらい必死にやれよ。
ハニは、朝の通学の地下鉄でメモをもらってから、楽しそうに携帯を見ていた。
_______ メール、ありがとう(^o^)v 初めて話した相手なのに、まさか登録してくれるなんて思わなかったよ。 満員の地下鉄車両の中で、朝から明るい笑顔で友達と話しをしている君を見て、いい子だなと思ってた。 君からのメールを貰って、つまらない毎日が楽しくなりそうだ。 明日から、会ったら話しかけてもいいかな?
テハン高校 キム・アイン
「ハニちゃん、なんだか楽しそうね♪」
アインとのメールのやり取りを見ていたグミがハニに声を掛けた。
「お・・・おばさん・・・・、いつから見てたんですか?」
そう言いながら、チラッとスンジョの方を見たが、スンジョは全く興味なしと言ったように、コーヒーを片手に本を読んでいた。
あれ?いつコーヒーを淹れたんだろう。
「もう15分ほど前かしら?随分前にお兄ちゃんがハニちゃんにコーヒーを淹れてって言ったんだけど、ハニちゃんメールが楽しそうだったから代わりに私が淹れたのよ。」
スンジョが全く自分に興味ももたずにいることに、淋しさを感じた。
「たまには二人で夕方の散歩デートをしたら?お兄ちゃんもハニちゃんも家の中だけじゃなく、外に行けばいいのに・・・・・・。二人は付き合ってるんだから。」
「付き合うって言ったわけじゃないだろう。ただ好きだと言っただけだ。」
そうだよね・・・・・・・付き合うとは言わなかったよね・・・・・・
ガッカリしていると目の前にスンジョの手が伸びて来ていた。
「ほら!手・・・・・・・・散歩に行くぞ。」
無愛想な言い方だけど、スンジョの精一杯の気持ちだった。
スンジョに手を引かれて、ハニが嬉しそうにしていると、グミも嬉しそうに出かける二人の後ろを見送っていた。
「誰からのメールだ?」
少し不機嫌そうにハニに聞いたが、言えるはずがない。
テハン高校の男子からのメールだとは。
「ミナとジュリから・・・・・。」
「フーン・・・・・。」
機嫌が悪いとスンジョはいつにも増して無口になる。
公園に着くと、人もあまりいなくスンジョのいつも座るベンチに並んで二人は腰掛けた。
公園に来てもスンジョは読みかけの本を開いて、続きを読んでいた。
ハニはフーッと退屈そうに息を吐くと、スンジョの長い腕が伸びてハニの身体を自分の方にもたれさせた。
「スンジョ君・・・・・・・」
「誤解すんなよ、風があたって寒いんだ。お前は脂肪があって温かいから。」
ニヤッとも笑わないで澄ました顔をしていた。
「もぅ!」
そんな風に言ってもスンジョの肩にもたれかかっていると、幸せな気分になった。
不意にスンジョが立ち上がってハニは、ガクンと倒れそうになった。
「なんか買って来るけど、何がいい?」
「何でも良いよ。」 ハニにスンジョは本を持たさせて、近くのコンビニの方に歩いて行った。 何を怒ってるんだオレは・・・・・・・ 朝、ハニにメモを渡した奴はテハン高校のキム・アインだな。 アイツ・・・・ハニが好きなのか? イライラしてくる。
ハニは大体誰にでもヘラヘラしているから・・・・・・・・ だからムカつく時があるんだ。
スンジョがコンビニでジュースとハニの好きなアイスクリームを買って戻ってくると、ハニが誰かと話をしていた。
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