スンジョの戸惑い 46
バタン!!
「あら!お兄ちゃん、一人なの?ハニちゃんは、どうしたの?」
「知らない・・・」
「知らないって、一緒に仲良く出掛けたじゃないの。」
不機嫌な様子が判るくらいに、スンジョはそのまま二階に上がって行った。
それから暫くしてシュンと、肩を落としてハニが帰って来た。
「ただいま帰りました・・・・・・」
「お帰り・・・・ハニちゃん、ちょっとこっちに来て。」
グミは二階のスンジョの方をチラッと見ながら、ハニをソファーに座るように手招きをした。
「お兄ちゃんと何かあったの?出かける時はあんなに仲良く出て行ったのに。」
「何でもないです・・・・何でも・・・・・・私が・・・・」
そう言ったきりハニはポロポロと涙を流し始めた。
「話してみない?ハニちゃん・・・お兄ちゃんが言葉足らず・・ううん、言わなければいけないことを言わない子だから。」
「おばさん・・・・・」
ハニは、通学途中にテハン高校の生徒からアドレスを書いたメモをもらったこと。
たまたまさっき公園で会って話をしていたところを、スンジョが見て何か急に不機嫌になたことをグミに話した。
「嫉妬ね。」
「嫉妬ですか?」
「そう・・・・焼きもちを妬いたのよ、お兄ちゃんは・・・ああ、やっとお兄ちゃんは人間になったのね・・・・・」
いつもグミはハニでも付いていけそうにないくらいに、可笑しな表現をする。
「スンジョ君が人間に?」
訳が分からないと言った感じのハニは、グミを不思議そうに見ていた。
「お兄ちゃんは今まで、自分自身に困ったことが一度もなかったのよ。勉強にしたりスポーツにしたり・・・・・それ以外もほとんど教えてもらわずに何でもできたから・・・・・いい事を考えたわ・・・ハニちゃん。お兄ちゃんを一度困らせてみない?」
グミのキラキラと輝くいたずらっ子のような瞳に、ハニは固まって動くことが出来なかった。
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