スンジョの戸惑い 50
ハニは部屋に戻り、グミから貰った袋の中の物を出した。
高級ブランドのお店だと判っていたが、そのブランドの最新デザインの物が入っていた。
貰えない・・・・こんなに高価な物は。
高校生の普通の家の女の子が切るにはとても高価な洋服だ。
いつもママのいない私に、ママの代わりにと言って可愛がってくれているのに・・・・ 返してこないと。
ハニは貰った洋服類を持って、リビングにいるグミの所に行った。
「おばさん・・・これ・・・・」
ハニは袋をグミの前に差し出した。
「気に入ってくれたかしら。いつもスンジョたちの服をお願いしているから、ハニちゃんのも一緒に頼んでおいたの。」
「ち・・・違います。こんなに高価な洋服は、私には貰えません。いつもよくしてくれているのに・・・・」
グミはハニが差し出した袋を、ハニの方に押し戻した。
「ハニちゃん、あなたは私の娘と同じよ。パパの大親友の娘は私たちの娘なのよ。ねっ!パパァ。」 グミがスチャンに笑いかけると、スチャンもそうだと言う様に頷いた。
「高校生活最後の一大イベントよ。思い出を作らないと・・・・・思い出をねっ!」
思い出を・・・の言葉を強調するグミの言い方に少し不思議な感じがしたが、結局ハニはプレゼントして貰った洋服類を素直に受け取る事にした。
「お兄ちゃんにスケジュールとか聞いても教えてくれないけれど、自由行動とかはどうなの?仲のいい子とかで行動するのかしら?」
何か探り出すようなグミの言い方に、疑いもしないハニ。
「ソン先生・・・・1組と7組の二人の先生ですけど、なんだか付き合っているみたいで、私情をはさんでいるみたいなんです。」
「どういうことなの?」
1組のソン・ジオ先生は、7組をバカにしているけれどソン・ガンイ先生と何かにつけて絡んでいる。
売り言葉に買い言葉。
7組は誰かが問題行動を起こす。
起こさない。
楽しい修学旅行を楽しめない1組の担任には言われたくない。
些細なことから、二人のクラスを混ぜたグループ班で自由行動をしてみる。
そのグループの発表は修学旅行当日のお楽しみ。 ということになっていた。
「そうなの・・・・・・でも、いいわ。ハニちゃんがその服を着てくれるだけでいいから。絶対に着てね、自由行動の時に。」
何度も何度も念を押すグミ。
グミの計画は何なのかまだ誰も知らない。
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