スンジョの戸惑い 53
スンジョと修学旅行に出発をする前の折角仲直りのチャンスだったが、偶然そこでハニを待っていたのか、アインと会った瞬間からスンジョはまた機嫌が悪くなって行った。
アインに悪気はないことくらい判っていても、今のスンジョにはそんなことを考える余裕が無かった。
「なんか僕まずかったかな・・・・・・彼・・・ペク・スンジョを怒らせてしまったのかな?」
アインにそう聞かれても、ハニはただ黙って首を横に振るだけ。 誰が悪いわけでも、どうしてそうなっているのか判らないのだから。
素直になれないスンジョに、スンジョにどうしたのか聞く勇気のないハニ。
「いつも気になっていたんだけど・・・・君とペク・スンジョはどういう関係なの?」
「どういう関係って?」
スンジョ君に好きだとは言われたけど、付き合っていないと言われた。 いったい私はスンジョ君の何なんだろう・・・・・・
「この間、ハニちゃんを迎えに行った時さ、表札は<ペク>だったし、いつも一緒にいるじゃない。公園で見かけた時も、二人でいたし・・・・」
スンジョ君は一緒に住んでいることは他人に話すなと言っていたよね。
説明をする為でも、言ったら怒るよね。
「えっ・・・・・・あ・・・あの時は、朝早くに用事があって・・・父親同士が知り合いで、用事を頼まれて・・・・それで・・・・・」
ハニはその場しのぎの嘘を言おうとしているから、話す言葉が思い浮かばない。
アインがハニの姿を見たのは、スンジョより早く家を出て学校に行った日。
朝刊を取りに行ったハニの姿を見たアインが、ハニが支度を済むのを待って一緒に学校に行った。
その前日にスンジョと公園に行った時に、急に不機嫌になって口を利いてくれなくなったスンジョの態度にハニは落ち込んでいた。
「ふーん、そうなんだ。ペク・スンジョが付き合ってはいないと言ってたけど、本当はどんな関係かなぁ~なんて思ったんだ。」
「どんな関係かって・・・・・私はスンジョ君に片想いをしてるの。ずっと・・・・」
「片想いなら、僕と付き合うのには特に彼に許可を取らなくてもいいんだよね。」
確かに、片想いならスンジョに許可を得なくても問題ない。
だけど、アインは嫌いじゃないけど苦手だった。 いつも、スンジョしか見ていないから。
アインが自分の横で話をしていても、今日からの修学旅行の事が気になって頭の中に入らない。
1組と7組は、先生の個人的な感情で自由行動どころか、グミには言わなかったがバスの配車も二クラスだけ混同になっていた。
修学旅行の集合場所に着いた者から順番にクジで座席が決まる。
一台先の電車に乗ったスンジョは、ハニが地下鉄の電車から降りた時には、すでに学校に着いていた。
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