スンジョの戸惑い 66
やだ・・・・・・怖い・・・・・どうしよう・・・・・誰もいないし、今日は先生の見回りが無いから・・・・・
スンジョ君・・・・助けて・・・・
「ガリッ!」
「・・って・・・・・・・」「スンジョ君助けてぇ」
口を塞いでいた手を思い切り噛み、ベランダに侵入して来た人物から離れようとした。
しかし、その人物はハニの手を掴み、引き寄せた。
「もうだめ・・・・・・」
ハニは覚悟を決めたかのように、目をギュッと瞑った。
「ハニ・・・・オレだ・・・」
その声にハニは、ギュッと瞑っていた目を開けた。
「スンジョ君・・・・・、どうして・・・・・・?」
スンジョはハニを部屋の中に入るように、促した。
「少しかくまってくれないか?しつこく追いかけて来るんだ。」
そう言えば、今日は修学旅行の最後の夜だか、らみんな好きな男の子に告白してるんだ。
きっとスンジョ君は沢山の子が、それをするのだろうな。
「オレは行かないよ、女子のたちに呼び出された場所に。」
「聞いていたの ?」
「ハニは考えていることが直ぐに言葉として口から出でくるんだ。」
ハニは頬をぷっと膨らませた。
スンジョは自分を追いかけて来た女の子たちから逃げる様にベランダから室内に入って来たため、ぬかるんだ所で足がを劣られて泥だらけになった足をバスルームで泥を落とした。
傍でふたりっきりでいる事に緊張しながら、ハニがタオルを持って立っていた。
「はい・・・・」
「ああ・・・ありがとう。」
「みんなよくやるよな。自分の気持ちを相手に伝えるって言っても、オレにしたら自分の気持ちを無理やりに押し付けているようなものだ。」
「でも、嫌なら嫌と言ってあげないと可哀想だよ。皆この日を楽しみにしているんだもの。三年生になったら毎日勉強で大変じゃない・・・・」
ハニの口から勉強が大変と聞くと、スンジョはなんだか可笑しくてクスッと笑った。
「お前らしいな・・・・・・・でも、7組は関係ないのだろうな。自由な感じのするクラスだから。」
「まあね・・・」
「まだ外でオレを探しているかもしれない。少しの間、本を読まさせてくれるか?」
持って来た分厚い本をハニに見せて、一人掛け用のソファーに腰掛けて本を読み始めた。
それから一時間たったのだろうか、ソファーと向い合せの位置に座っていたハニは、退屈だったのかいつの間にか居眠りを始めた。
初めてこんな風に気楽に女の子と話をするなんて、自分は随分と変わったなと思った。
無防備に寝ているハニは、子供みたいな無邪気な顔をしていた。
「ハニ・・・・・風邪をひくぞ。」
肩を揺らして声を掛けても、ハニは全く起きない。
気の迷いだろうか、スンジョは少しかがんで誘われるようにハニの唇と触れた。
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