スンジョの戸惑い 68
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・・・・・こっちに来てくれる?」
1クラスの女子数人が神妙な顔をして話しかけて来た。
何かを言われることは判っていたけど、食堂を出て1クラスの女子の後を付いていった。
食堂よりは生徒の数は少ないが、朝食が終わった生徒達が何名か出発の荷物を持ってロビーで待っていた。
その場所にスンジョが1クラスの女子と一緒に来たから、何事かと言う顔をして様子を伺っていた。
「聞きたいことって何だ?オレは人に呼び出されるようなことはしてないぞ。」
スンジョは呼び出した女子の顔を知っている。
同じクラスだからではなく、昨日ハニに殴りかかろうとしてスンジョの頬を叩いた子だ。
「ペアの服を着たり、偶然かもしれないけどバスの座席も隣どうしで、自由行動も一緒・・・・・何なの?あなたとオ・ハニの関係は・・・・・好きだけど・・・付き合っていないって・・・何を言っているのか意味判んないわ。」
「意味が判らなくったっていいだろう。」
「でも・・・・・・ね・・・・?」
女はどうしてこんなに、どうでもいい事を聞きたがるんだ。
「一緒に住んでるんだ、ハニと。」
一緒に住んでいると言うことに、スンジョを呼び出した女子だけではなくその場にいた生徒達も驚いてスンジョの方を見た。
「だから付き合うこともないだろ、いつも一緒にいるのだからわざわざ付き合う必要もないから付き合ってはいないと言ったんだ。・・・・・・・あぁ、こんなくだらないことを聞いてくるあんたらだからそれでも気に入らないだろう?」
冷たい視線を向けているスンジョに返す言葉も無い。
「オレはハニが好きだ。他の女子には全く興味はない。オレにはハニだけだ。それでいいか?」
あまりにも堂々と顔色一つ変えずに言うスンジョに、二人を呼び出した女子達は黙っていた。
「ちょっと~!大変よ!」
大事件のように走って来たその生徒は、食堂にいる友人の前に来て座った。
「ペク・スンジョが・・・・・・・ペク・スンジョが・・・・・IQ200の天才スンジョがおバカなオ・ハニを好きだって。」
そう言ったと同時に、食堂の中の生徒の視線がハニに注がれた。
スンジョ君が・・・・・・言ったの?
うそ・・・・・やだよ・・・怖い・・・・何が怖いって、スンジョ君を崇拝している女の子たちが自分に対して今まで以上の嫌がらせが怖かった。
0コメント