スンジョの戸惑い 70
「綺麗ね。」
「これ?綺麗でしょ?スンジョ君に買ってもらっちゃった。」
ハニはスンジョとペアのストラップを、ミナとジュリの前にかざして揺らした。
「買ってもらっちゃった!羨ましいわぁ~あの天才ぺク・スンジョが皆の前で告白したら・・・この子ったら・・・・・嬉しそうな顔をして、買ってもらったものを見せびらかして・・・」
嬉しそうに笑うハニは、片想いが実って幸せそうだった。
普通の女の子なら好きな人とペアの物を持つのも嬉しいが、それを大好きなスンジョが買ってくれたのだからなおさら嬉しかった。
決して高価な物ではないけれど、キラキラと輝ストラップはまるでハニの表情のようによく変化していた。
「ほら!ハニ、あなたのダーリンだよ。」
「やだ・・・・ミナったら・・・・・・・」
スンジョはハニの方をチラッと見て片方の口角を上げて笑ったが、そのまま声を掛けることも無く通り過ぎて行った。
ハニは少し寂しかったが、以前なら笑いもしなかったスンジョが、一瞬だけ自分に笑いかけてくれたことが嬉しかった。
「ミナ・・・・・ジュリ・・・・・恋するっていいね。」
嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねるように言うハニは、無邪気な子供のように本当に可愛らしい。
そんな時に誰かがぶつかって、ハニの手から携帯が落ちた。
「あっ!」
「ちょっと!!あんた!!」
明らかに偶然ではなく故意にやったことが判る。
その人物はそのまま、ミナとジュリの呼びかけにも無視をして行ってしまった。
スンジョに買ってもらったペアのストラップは、無残にも真っ二つに割れて壊れてしまった。
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