スンジョの戸惑い 77
「おばさん・・・・・・ウンジョ君の秘密ってなんですか?」
ハニは夕食の手伝いをしながら、グミにこっそりと聞いていた。
「あのね・・・それは・・・・・フフフ・・・・・・」
「ママ!!約束したじゃないか!バカオ・ハニは口が軽くて余計なことを言うから絶対に言わないでよ。」
グミはクスッと笑って肩を窄ませた。
「ハイハイ。約束よねぇ~~ママも秘密があるから守るわぁ~~。」
ウンジョがへばり付く様にグミとハニの後ろから、ダイニングの椅子に腰かけて睨みを効かせた。
「ウンジョく~ん、ハニ姉さんに教えてよぉ~。」
ウンジョは口を尖らせてプイッと横を向いた。
「この家で一番信用のないハニになんか教えない。」
ここで簡単に引き下がるハニではない。
「ウンジョ君、バカオ・ハニって言うけど別名ガムのオ・ハニと言われていることも知らないの?」
「何だよそれ・・・・・・・・・」
「くっついたら離さない・・・・・だろ?」
ビックリしてウンジョが後ろを向くとスンジョが立っていた。 ハニは持っていたお玉を落として尻餅を着いた。
「お兄ちゃん!」
「スンジョ君・・・どうして判ったの?」
「一度こうと決めたら、誰が何と言おうと人から聞き出すつもりだろう・・・・誰だって判るさ。オレが無視してもしつこく想い続けていたくらいだから。」
それを言われれば反論も出来なかった。
しつこく想い続けたから、スンジョと両想いになれたのだから。
ウンジョはホッとしたようにスンジョの後ろに回り、ハニにアッカンベーをした。
「ハニも小学生相手にお玉を振り回すのは止めろよ。何かまだオレに内緒にしていることでもあるのか?」
グミは平然とした顔でスンジョに答えた。
「何もないわよ。あなたは人を疑い過ぎよ。もっとハニちゃんみたいに、人を信じなさいな。」
ニコニコとしていてあっけらかんなグミも、スンジョと引けを取らない程、心の中まで表さない表情をしている。
スンジョはグミを一睨みして、リビングのソファーに腰掛けて新聞を読みかけた。
スンジョもグミが、まだ何か隠し撮りをした事と他の事を隠していることは薄々感じている。
画像をすべて消去したのに、怒るどころかむしろ何か余裕のある顔をしている。
「ハニ、コーヒーを淹れてくれ。」 「は~い。」 ハニはスンジョに言われて、イソイソとコーヒーを淹れた。 その二人の様子をまたグミは嬉しそうに眺めるのが毎日の楽しみでもあった。
「お待ちどうさま。」
マグカップをスンジョの前のテーブルの上に置いて、そのまま行こうとした時スンジョは新聞を読みながら小さな声で聞いた。
「ハニ、お袋はまだ何を企んでいるんだ?」
言えるはずがないことはスンジョにも判っていた。
「さあ・・・・・・・・」
「今度・・・・・デートしようか?」
ビックリして顔をスンジョに向けると、その驚き方が予測した通りで面白かったのかニヤッと意地悪な顔を見せた。
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