スンジョの戸惑い 83

 「スンジョ君、こんな子を庇うことは・・・・・」

 「こんな子?こんな子ってどういう子なんですか?ベテラン教師が、生徒を侮蔑する言い方をしてもいいのですか?」

 教頭は、職員室内で話している言い方をしてしまい、口を押さえて焦りながらスンジョに、ハニをどうして呼び出したのかを話し始めた。 

「こんな子・・・・・確かに言い方は悪いが、狭い空間に異性を連れ込んで、まだ高校生であるのにふしだらな・・・・・・・学校に来るにも、その・・・・首の・・・・隠しもしないで・・・・。 スンジョはニヤッと笑った。

 「首の何ですか?ハニの首がどうかしたのですか?ハッキリ言えばいいじゃないですか、キスマークって。」

 ハニはキョトンとしていた。 自分の首にそんな跡があるとは知らなかったから。 


「キ・キ・キスマーク?」

 「ほらここだ。」

 スンジョはハニの白い首にくっきりと付いている赤い印に触れた。

 「違うのにぃ~、スンジョ君どうしてこんな話になっちゃったの?プリクラを撮るのはいけないの?」 

スンジョの登場で、教頭他数名同席していた先生たちも、誤解だとは気が付いたが一方的に事実確認もしないで責めていた為、教師として引っ込みがつかなくなっていた。 

元々、教頭は7クラスの生徒たちを学校の偏差値を下げているお荷物クラスと考えていたから。  


「ハニ、先生たちにあの時の事を再現して見せようか?」

「ス・・・スンジョ君・・・何もこんな明るい場所で・・・・・・・」

 「明るい場所でしたらダメなんでしょうけど・・・・二人の生徒のうち一人だけでは不公平だよ。ハニ・・・・あの時みたいにここに座って・・・・・・」 

「再現してみたら?」

 ハニのクラスの担任のソン・ガンイ先生が、自分のクラスの生徒の無実を証明する事となるのなら、ここで再現するしかないと他の教師や教頭に向かって言った。

 スンジョはハニと動きながら、プリを撮った時の様子を再現をし始めた。


 「写真が嫌いなオレですが、ハニの頼みでプリクラを撮りました。最初はハニの操作を面白おかしく見ていて、いざポーズをする事になった時、写りたくない気持ちが段々と強くなって・・ 

<もう無理だ、限界だよ。プリクラったって写真だ。帰る!>

 <お願い!お願いだから一度だけ。>

 <笑えないんだよ、自分だけにカメラが向けられていると思うと。> 

<お願いだから・・・・・ね?>

 <無理だ・・・・やっぱり・・・我慢できないよ。> 

<待って!待って・・・・・・・・あっ・・・・・・・・>

 って、ハニがスンジョの服を引っ張り、二人でその狭いブースにひっくり返ったんですよ。 その時に、ハニの首にオレの口があって思いっきり噛んだだけなんですけど、気が付いたらまずい場所だなと思いました。」


 事実確認もしないで、デマではないが生徒からの通告でハニを呼び出したことに、苦虫を潰した顔をする教頭は7クラスのハニの処分が出来ないことを、ハニに言わなければならないがこのまま黙っていても何とかなるのは他の生徒たちだった。

 しかし、ハニと一緒にいた異性がペク・スンジョなら騙しが効かない。 


「ああ・・・判った。ペク・スンジョ君が一緒にいた相手ならきっと何か誤解があったのだろう。単なる噂も根拠があるからこんな密告があったのかもしれない。今後は二人とも高校生らしく健全な交際をするように。」 

「はい・・・・判りました。」

 しおらしく応えるハニに対してスンジョは、きっぱりと言い切った。

 「健全な交際をするつもりですが、一つ屋根の下に住んで隣同士の部屋です。思春期のオレには限界があるかもしれません。オレ達は両親も公認なので、大目に見てください。」

 悪びれてもいないスンジョの態度に、あんぐりと口を開けている教頭と他の先生たちに一礼をして、スンジョはハニの方を見て言った。


 「さあハニ、これで学校も公認の中になったんだ、もう教室に戻るぞ。」 

呆気にとられているのは先生ばかりではなく、ハニもスンジョの言葉にただ茫然としていた。   

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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