スンジョの戸惑い 84
スンジョが動けば、噂好きな人もそれに合わせて動く。
スンジョが進路指導室で先生達を前にとった行動は、瞬く間に学校中に広がった。
教室でクラスメートに言った「ハニはオレの彼女」発言も、当然直ぐに広まった。
「ゥ・・・オーン ォオオオオ~~~~~」
猛獣のような鳴き声が、二年生のクラスの階の廊下から、階段を伝ってその上下の階まで響き渡った。 その声が一番大きく聞こえたのは、7クラスの方からだった。
「オレのハニがぁ~~~~~~~冷徹男の魔の手に汚されたぁ~~~~~」
「ジュング・・・・・・・・」
「もう本当に・・ジュングったら、五月蝿(うるさ)過ぎだよ。」
ハニ一筋思い続けていたジュングにとって、噂になっている事を受け入れられないくらいにショックは大きかった。
「汚されたって・・・・・」
「冷徹男に、純真無垢なハニの貞操を・・・・・」 ミナとジュリはジュングの言葉にニヤニヤと笑いながらハニを見た。 「ヤ・・・・ヤダ・・・・ジュングったら。何もないわよ。同じ家に住んでいたって、まだ高校生なんだから健全な・・・・・」 今まで泣いていたジュングは嬉しそうに顔を上げた。
「そうだよな・・・・・ハニはそんなふしだらな女の子じゃないもんな。」
さすがに言えないよね、スンジョ君にキスをされたことは。
騒々しかった教室も、予鈴がなって本鈴が聞こえるころには静かになり、専門教科の教師がやって来ると授業が始まった。
7クラスだって、静かに授業を受けることだってある。
来週から始まるテスト週間。
テスト範囲の復讐の授業は、テストに出やすい授業をやってくれる。
それが終われば、7クラスがどのクラスよりも盛り上がる学際。
毎年二年生の7クラスが実行委員として、団結力を発揮していた。
7クラスとは違ってスンジョたちの1クラスは、二年のこの時期から大学受験に向けてのカリキュラムが始まる。
特別なカリキュラム対象外の7クラスも、学際が終われば進路を本格的に決めなくてはいけなかった。
ハニも、7クラスで頭もよくないが進学希望。
定期テストに一応勉強はしている。
してはいるが、下心あってのテスト勉強。
スンジョに嫌われたくないから勉強をしても、同じ家に住んでいるから実の入っていない勉強でスンジョから突き放される。
自分がどうして勉強をしているのか、何のためにしているのか・・・・・・・
大学に進学をして、私が何をしたいのか判んないな。
スンジョ君は何になりたいんだろう。
聞いたら教えてくれるかなぁ・・・・・・
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