スンジョの戸惑い 118
「おじさん・・・スンジョ君がお医者様になるの、許してくれるかなぁ・・・・・・許してくれるといいなぁ・・・・あ~ぁ気になって眠れそうにないよぉ~~ゴツンッ・・・・・・・痛いよぉスンジョ君。」
ハニはスンジョに数学の教科書で頭を思いっきり叩かれた。
「当たり前だ!眠ったらだめだろう・・・・何が眠れなくなるだ。普通でも数学を教えている最中に居眠りしているのに、眠れなくなるならその方が良いだろう。」
「フンッ!意地悪!!スンジョ君の進路を心配してあげているのに。」
スンジョはハニの柔らかくてよく伸びるほっぺたを引っ張った。
「人の心配をするより、自分の心配をしろよ。次の定期テストで出来ないと、泣いてもわめいても推薦を貰えないぞ。」
スンジョに脅されるように言われると、教えてもらった公式をモゴモゴと言いながらハニなりに一緒懸命に覚えていた。
「お前さぁ・・・・どうして大学に行きたいんだ?」
「どうしてって・・・・・」
「勉強だって得意じゃないだろうし好きでもないじゃないか。大学に行って何の勉強をするつもりなんだ?」
スンジョの問いにハニはキョトンとした。
「大学に行かなくたって、勉強は自分で出来るって・・・・スンジョ君前に言ったよね。」
「お前にしたら随分と、よく覚えているじゃないか。」
プゥッとハニはふくれっ面をしたが、直ぐに普通の顔に戻った。
「私はね、スンジョ君の言うとおり勉強は好きじゃないわ。大学に行ったら何をしたいかなんて、考えたことは無い?」
「無い。で・・・・お前は有るのか?」
「私もね、無いの。だけど、大学に行っている四年間ならきっと自分が何をしたいのか判るような気がするの。恋は・・・・・私はスンジョ君の事以外好きになれないから、これは必要はないけど、自分探しをする場所だと思うの。」
「自分探しか・・・・・」
「でもね・・・でもね・・・スンジョ君はお医者様に絶対になるべきの人なの。だから、絶体になってね。」
ハニの頭をクシャクシャとしてスンジョは、幼い子供を見る様な目でハニに微笑んだ。
「はいはい、判ったよ・・・・さぁ、勉強を頑張ろう。今度の定期テストにお前の運命が掛かっているんだから。」
ハニがオレの進む路を見つけてくれた。
親父は望まない道だけど、ハニの言うようにオレは医師という仕事に興味が湧いているのは確かだ。
親のための人生ではなく、自分のための人生。
親父が反対をしたら、説得するのも良いかもしれないな。
ハニが教えてくれた事の一つ、諦めないで最後の最後まで頑張るという努力。
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