スンジョの戸惑い 124

「誰ですか?」

三人は、ニヤニヤと笑いながらハニに近づいた。

「オレ逹?オレ逹は、サービスエリアからずっと一緒だったけどねぇ。」

ニヤニヤと笑い、いかにも遊び人風で女の子に声を掛けて何かエッチな事でも考えていそうな目はハニから離れなかった。

ヤダ、怖いよスンジョ君。

早く戻って来て・・・・・

「君が可愛いから、仲良くしたいなぁってサ。」

「オレ逹と、楽しい事しない?」

スンジョ君・・・・スンジョ君・・・・

「た・・・楽しい事って・・・?なんですか?」

スンジョは、飲み物とハニの上着を取りに行く時に、サービスエリアからずっと付いて来ていた気になる三人組が頭から離れなかった。

色白のハニのために、太陽の陽射しを遮る岩陰に連れて行ったのが間違いだった。

グミによくない事が起きそうだと思っている事が悟られないように、スンジョは飲み物と軽い食事と、日除けのための上着をグミから受け取ってハニの方に走り出した。

「お兄ちゃんったら、ハニちゃんの所に急いで戻りたいみたいでしたわね、パパ。ギドンさん、やっぱりうちのスンジョの嫁は、ハニちゃんになりそうだと思いません?」

「奥さん、まだハニは子供ですよ。」

「何言ってるんだ。うちのママは18歳で結婚したぞ。ギドンと親戚になれば、この先ずっとワシたちは一緒にいられるじゃないか。」

親たちはハニの身に危険が近づいている事など、全く気が付いていなかった。

「ハニ・・・待ってろよ。」

ハニを一人で残しておくのじゃなかった。

後悔ばかりを感じるスンジョは、急いでも足が速く動かなくてもどかしい気持ちだった。

「楽しい事って・・・・ククク、さっき一緒にいたお兄さんとしたこと無いの?」

えっ?何の事を言ってるの?

私とスンジョ君はそんな・・・・・・スンジョ君助けて!

声を出したらすぐに来てくれるのに、怖くて声が出ないの。

「オイ!楽しい事ってなんだよ。」

楽しい事と言ってハニに一番近い所にいた男が尻餅を着いた。

ハニが目を開けて顔を上げると、全速力で走って来たスンジョが息を切らして立っている。

「そっちの男、カメラを貸せよ。」

「何でだよ、こんなガキなんか写して何が楽しいんだ。」

「そうか?ハニが着替えている様子を盗撮していただ。、更衣室の所の隙間から何を写していたんだ?」

スンジョの冷たい表情に三人はビビっていた。

自分より若い男に言われて、反論する事も出来なかった。

「メモリーカードを貸せよ。」

スンジョが威嚇するためにカメラを持っていた男の胸ぐらをつかみ、反対の方の手を振り上げて殴ろうとした。

「スンジョ君、喧嘩はしないで・・・・殴ったら痛いのは心なんだよ。」

「大丈夫、こんな奴殴らないから・・・・・ホラ、お前らがどこかに連れて行こうとしたのに、そんな事も関係なく助けてもらって。早くカードを貸せよ。内容によっちゃ訴えるぞ。」

感情のこもらない脅しで、カメラを持っていた男がサッとメモリーカードを渡して逃げて行った。

「着替えているの撮られたのかなぁ・・・・」

「大丈夫さ、アイツらの腕じゃ・・・・無理だ。」

そっとスンジョはハニに上着を掛けて二人り並んで、スンジョが飲み物と一緒に持って来たシートの上に座った。

「さっき・・・助けてくれてありがとう。スっごく怖かったから、スンジョ君を呼んでも声が出なくて。」

「聞こえたよ・・・ハニがオレを呼んでいるの聞こえたよ。」

「何だかテレパシ-が通じたみたいね。」

二人並んで持って来た温かい飲み物を飲んでいる姿は、さっきまでの表情と違ってまるで別世界にいる二人のようだった。

ハニは並んで座って海の水面を見ていると、どこにいても直ぐに飛んで来てくれるスンジョが嬉しいと思った。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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