スンジョの戸惑い 126

「親父・・・・・・・」

スンジョはスチャンに聞かれてしまった事に驚いた。

「医学部に行きたいのか?・・・・・・大学に行く気になったと思ったら・・・・・・・じゃあワシの会社はどうするんだ?」

親の会社をスンジョが跡を就いてくれるとばかりスチャンは思っていた。

「ちゃんと相談しようと思っていた。だけど親父が入院して、そんな夢も諦めないといけないと思ってる・・・・・・」

スチャンはスンジョと向かい合わせに座った。

「どうしてなりたいのだ?」

スンジョは父の心臓の事を思って、どう言ったらいいのか考えを纏めていた。

「夢も何も見たことがなくて、目標もなく生きている意味も分からなくて、様々な事を見ても感動もなかったオレが悩んでいる時に、ハニが勧めてくれたんだ。<何でも出来るのだから、その頭脳を分け与えて>それがハニが医者になってみたら・・・と。だけど、ハニがなれと言ったからなるのじゃなくて、親父が倒れた時にどんな状況でも的確に判断して、人の命を救う事に全力を出している医師の姿にあこがれたんだ。オレなら出来るだろうか・・・・・・・・・」

スチャンは何も言わず、目を瞑って考えていた。

ハニは自分が勧めた<医師>という職業で、父の親友スチャンとスンジョが喧嘩になったりしないかと不安になっていた。

スチャンもハニにとっては大切で大好きな人。

そんなスチャンと大好きなスンジョが、仲良く話し合ってくれればと思っている。

何も言わないスチャンに、スンジョも父の言葉を待っていた。

「パパ、お兄ちゃんをお医者さんにさせてあげて。僕が、パパの会社を継ぐから。だって、お兄ちゃんは、僕みたいにゲームは好きじゃないし、僕なら好きなゲームならいいアイデアが浮かぶと思うんだ。」

いつの間にか父の後を追って来たウンジョが、話の間に入ってきた。

「判った・・・・・・・パパは長男のお前に跡をずっと継いでほしかったが、ウンジョが本当にやってくれるなら、まだ幼いけど後継者をウンジョに譲ろう。」

「親父。」

「パパ!」

スチャンの気持ちは、まだ心のどこかに後継者はスンジョにしたい気持ちもあったが、初めてスンジョが意思表示した事に、スンジョが医学部に行く事を許すせる気になった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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