スンジョの戸惑い 130
「ねえ・・・・・スンジョ君、休み時間に言っていた話はなんなの?」
コイツまだ判んないのか?
オレが医者になるならお前は何をすれば一緒にいられるのか判んないのか?
「自分で考えろよ。お前の頭の中はオレの事でいっぱいなんだろ?」
立ち止まって真剣に考えるお前のその間抜けな表情を見ていると、本当にお前は子供のように純粋で邪心が無いと判る。
立ち止まって考えている間に待っていてくれないスンジョとの離れてしまった距離を縮めようと、廻りの状況も見ないで走って小石に躓いて・・・・
転ばなかったのが珍しいくらいだった。
「天然記念物的な短足でオレに合わせて走るからだ!」
プゥッとハニが膨れっ面になる。
そんな顔を見ると、スンジョはニヤッと笑う。
ハニもそれを知っているけど、怒りたくなってくる。
「スンジョ君の足が人より長過ぎるからでしょう!」
怒りながら近づくと、急に立ち止まったスンジョにぶつかった。
「んもぅ!!急に立ち止まったりしないでよ・・・?どうしたの?」
「人が倒れている・・・・」
スンジョの視線の先に一人の若い女性が倒れていた。
ハニが驚いているとスンジョは、倒れている女性の方に駆け寄った。
「大丈夫ですか?聞こえますか?」
声をかけると女性は、薄く目を開けた。
「大丈夫です・・・・目眩が・・・」
「ハニ!救急車を・・・・ハニ!」
「うん!」
ハニは救急車を呼ぶが、状況が説明出来ずただオロオロとしていた。
ハニから持っている携帯を取り上げると、スンジョは現在いる場所と状況を説明した。
「ハニ、救急車が来るまでよくわかる場所に立って、近づいたらここに誘導してくれ。」
「出来ないよ・・・・」
そんな事が出来るほど、冷静な判断で誘導する事は、最初から無理な事はわかっている。
ハニに倒れている人のそばにいるように言い、スンジョは救急車を誘導するために通りまで出て行った。
それから暫くすると遠くからサイレンが聞こえて来た。
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