スンジョの戸惑い 132

「ママ、今日はどうしてハニは携帯と睨めっこをしているの?」

「今日はね、パラン大から内部推薦の連絡が来るんですって。」

「フーン。」

グミとウンジョは、ダイニングテーブルでお茶を飲みながらハニの様子を見ていた。

携帯の画面を覗いては大きくため息を吐き、携帯の画面を下に向けてはソファーに寝転び。

スンジョがハニのそばを通っても気が付かないで、パラン大からの連絡を待っていた。

「まだ連絡がないのか?」

「スンジョくぅ~ん、ダメなのかなぁ・・・・・・・・」

「お前が本当に大学に行く気があるなら、もっと後悔しないうちに勉強をすれば良かったんだ。」

ハニが落ち込んでいる時は、決して甘い言葉を掛けない事は判っている。

「冷たいなぁ・・・・・・・まぁ、本当の事だけど・・・・・・・・・・」

冷蔵庫から冷えた水をグイッと飲んで、ハニの座っているソファーに並んで座った。

「だめなら、自力で頑張るんだな。」

「スンジョ君みたいに、勉強をしなくても出来る人はいいよね。」

「オレは勉強をしないのじゃなくて、授業を集中して聞いているから、無駄な勉強はしないだけだ。それじゃあ・・・・頑張って電話を待ってるんだな。」

ポンポンとハニの肩を叩いて、スンジョは2階に上がりかけて振り向いた。

「どんな連絡が来ようとオレの睡眠を壊すなよ。」

そうは言っても、スンジョの本心はハニにパラン大の内部推薦の合格を望んでいた。

自分の机の引き出しから1通の封筒を出して、開封されている中の書類を出してニヤリと笑った。

部屋のドアを閉めてあっても、家の中が静まり返っている事がよく解る。

ダイニングにいるグミとウンジョも、電話を待っているハニも、誰も一言もしゃべらず物音も立てずに動かないでじっとしていた。

グミがそろそろ夕食の準備をしようと、静かに立ち上がった時に、ハニの携帯の着信音がペク家の家の中で鳴り響いた。

ハニが電話に返事をしているかと思って物音を立てないようにしていると、突然ハニが静かになった事が、ドアを閉めて部屋にいるスンジョにも伝わって来た。

また音のない時間が数分続いた時、グミがハニに話しかけている声が聞こえたかと思うと、突然ハニの大きな悲鳴が聞こえて来た。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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