スンジョの戸惑い 139
言えるわけがないが、言わないと部屋に着いてからハニが困るだろう。
「嫌だと思うから、オレはハニの荷物を置いたら親父の部屋に行く。」
「??」
訳が解らないだろう。
どこの親が、いくら付き合っているからと言っても、まだ未成年で、高校生の息子と彼女を同じ部屋にする?
「オレと同じ部屋・・・・・」
キャリーバックを手から離して、固まってしまったハニ。
「ス・・・・・スンジョ君と同じ部屋なの?」
「らしい・・・・・嫌だろう?」
「嫌・・・・・・というか・・・・・どうしてなのかな?」
「星屑湯は、離れのこの部屋の専用の浴場なんだ・・・・ほら、この部屋だ。」
鍵を開けて部屋に入ると、大きなガラス窓に部屋の中心に大きなベッドが一つ。
天井も幕を開けるとガラス張り。
「ベッドが一つしかない・・・・・・」
「そりゃぁそうだ、ここは新婚カップルか子供が出来ない人が泊まる部屋だから。」
「へっ?」
あまりの事に声の裏返ったハニは、不安な顔で後ずさりした。
「効能を見なかったか?温泉の・・・・・」
何も知らないと言う様に首を横に振るハニの顔を見れば、ここに泊まる二日間が心配になって来た顔をしていた。
「でも・・・・・お父さんたちお酒を飲んで話がしたいんだよね・・・・・・・スンジョ君が嫌じゃないなら・・・・い・・いいよ・・・・・・」
勇気を出して言った言葉だと判る。
ハニはそんなに軽い女の子じゃないから。
「オレがソファーで眠るから、ハニはベッドを使え。」
クローゼットにバックの荷物を片付けていると、ハニのポケットからコロンと小さな箱が出て来た。
「あ!それはおばさんが、スンジョ君と使ってもいいよっ、てくれたの。でも、どうしても嫌な時だけねって・・・」
「ふ~ん。」
「何だろうね。結構軽いのよ。スンジョ君空けてもいいよ。」
カサカサと振ると聞こえる音。
ソファーに座るとハニもオレの横に来て、箱の中身を期待するようにオレの手元を見ていた。
綺麗に包まれた紙を開けてオレは固まった。
鈍いハニでも、それが何なのか直ぐに判り顔を真っ赤にさせていた。
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