スンジョの戸惑い 140

「やだ・・・・私・・・・他の部屋に行く・・・・・・・」

「待てよ・・・・・」

スンジョがハニの手を掴むと、腰を引いて必死に逃れようとしていた。

「け・・・・・健全なお付き合いを・・・・・」

「判ってるよ。振りだけをしておけばいい。」

振り?

「ハニに何もしやしない。オレ達に何かあったら、切っ掛けを作ってはまた同じ事をするに決まっている。」

それでもハニは不安だろう。

母屋からかなり離れた場所にある星屑湯のこの部屋。

ゴクリと唾を呑み込んだハニが、震えながらとんでもない事を言った。

それがどこからの情報なのかは大体見当がつく。

「あの・・・男の子って・・・好きな女の子には・・・・・したくなるんじゃないの?」

「何を言ってるんだ。」

「スンジョ君と付き合ってから、もう結構経つんだけど・・・・・・・キスだけ・・・・・・私って胸も小さいし・・・・魅力がないのかな・・・・・」

コイツは一緒に住んでいても、オレの気持ちがまだ判らないのか?

「オレは責任が取れない事はしない。考えて見ろよ、高校生だぞ?折角、大学に内推が決まって、春からの学業に差し障るような事になったらどうするんだ?」

「差し障る?って・・・・」

そうだった、ハニは教えてやらないと分からないやつだ。

「今日明日が・・・・・・排卵日なんだろ?」

「は・は・排卵日・・・・どうして・・・・・スンジョ君が判るの?」

「お袋が記録しているみたいなんだ・・・・・この話はこれで終わりだ・・・・ハニと付き合っていても大学を出て、お前は社会人としてある程度勉強をして、オレは医者になってからならその先が見える。ハニに魅力がないとかじゃないから。本当に好きな女の子なら、その子を大切にするのが男だ。これはオレが処分をするから、使う必要もないし気にするな。」

ちょっと残念そうにしているハニの気持ちも解らないわけでもない。

ガールズトークでそんな話でも出るんだろうな。

男連中でもそんな話題が出ていたりするが、無責任な事を話している奴らにムカつく。

「ねえスンジョ君、星屑湯って暗くなってからしかだめなんだって。折角来たのだから温泉に何度も入りたかったのにな・・・・・・」

「母屋の方なら入れるぞ、今から行くか?多分お袋も誘えば一緒に入ってくれるから。」

着替えを纏めているハニに判らない様に、スンジョはハニがグミから貰った箱をごみ箱に捨てた。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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