スンジョの戸惑い 143
グミの形振り(なりふり)構わない行動に、スンジョは怒りを通り過ぎて、それに乗った振りをしてみようと思った。
「ねえ、スンジョ君・・・・星屑湯に入りたいんだけど・・・・」
「一緒に入るか?」
物陰からグミが見ているのを、スンジョは気が付いていた。
「そ・・・そんな・・・・・・」
「恥かしくないだろ?オレとハニの仲だから。」
三流の昼ドラみたいなセリフを言う自分に虫唾(むしず)が走る。
それに合わせているハニも、結構上手く言っている。
「スンジョ君・・・・こんな感じでいいのかなぁ・・・」
「ああ、お前結構上手いじゃないか。」
「女優になれるかな私?」
「調子に乗るな、バ~カ。」
しかし寒い・・・・・・ハニは満天の星空を見ながら入る露天風呂で満足だろうけど、オレは足湯で膝から下が浸かってるだけで、上着は着ているにしても寒すぎだろう。
「ハニ・・まだかぁ・・・・めっちゃ寒いんだけどな。」
「もう出するから目を瞑っていて。」
ザバッとハニが湯から出て、オレの横を通り過ぎようとした時、濡れた岩で足を取られてそのまま湯の中に二人揃って落ちた。
「おい!ちゃんと足元見ろ・・・・・・」
身体に巻き付けていたバスタオルが外れてハニの胸が露わになった。
「きゃ・・・・・・・」
ハニが叫びそうになった瞬間、ハニの口を手で塞いだ。
グミがこちらを伺いながらカメラを向けていた事に気が付いた。
一瞬フラッシュが焚かれ、お袋がベストショットと思たのか、そのままそこから自分たちの部屋の方に引き上げて行った。
「もう大丈夫だ。」
口を塞いでいた手を離すと、ハニが真っ赤な顔をしてオレを睨んだ。
「見・・・・見たでしょ・・・・」
見てないと言った方がいい事くらい判っている。
「見てない、湯が顔に掛ったから見ていない。」
「本当?」
「本当だ・・・足にを気を付けて部屋に行けよ。オレは身体が冷えたから温まりたい。」
絶対に見られたと言いながら頭を振っているハニを見て、オレの心臓はバクバクと言っていた。
以外と大きかったハニの胸。
今夜は眠れそうにないな・・・・・・
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