スンジョの戸惑い 145

柔らかで温かなベッドでハニは大きく伸びをして横を向いた。

下げた手が、温かな物の上に置かれた事に気が付き、それが何なのか気になって目を開けた。

目と鼻の先と言う言葉がこういう意味なのかと思うくらいに、自分を見下ろしている恨めしそうに睨んでいる目と合った。

「ひっ!」

ハニはビックリして起き上がると、急いでベッドの端まで移動した。

「決めたよな、境界線・・・・・・・それもお前が!」

境界線にしていたタオルがあるべき所に無く、それはスンジョの首に廻されていた。

「やだ、スンジョ君ったら、タオルをマフラー代わりにして。」

「はぁ?何を言っているんだ。寝息を立てて眠ったかと思えば、直ぐに手で顔を殴られるわ、足で脇腹を蹴られるわ、ソファーの方に移ろうと思ったら上から押さえつけられるわ・・・・・」

「上から押さえつけられる?」

「ああ・・・お前に襲われたよ。」

ハニは自分の着衣を確認して身体を触った。

「何とも・・・・・・違和感は感じなかったけど・・・・・」

「責任を取れよ、オレの。」

「覚えていないけど・・・・・」

「覚えていなくても、今夜はソファーで寝ろ。一晩中眠れなかったんだ。」

眠っていたいけど、今眠ってしまえば朝食の時間に遅れる。

朝食の時間に遅れれば、グミがまた勝手な妄想をしかねない。

目を覚ましてスッキリさせるために、ベッドから出て着替えとタオルを持ってスンジョは星屑湯の方に向かった。

「朝早い温泉もいいぞ。」

スンジョにそう言われても混浴する勇気はハニにはないが、折角来たから入りたい気持ちはあった。

「ハニの方は見ないし、お袋達はまだ起きないから・・・・・・嫌ならいいけど。」

「入ります!入る!」

ハニはタオルを持って、ドアの所まで行き、また戻ってバスタオルを二枚取りスンジョに続いた。

オレに貧相な身体を態々見せることしなくてもいいし、それにお前自分の身体に自信が無いから見られたくないのじゃないか?

それなら、何で横に入って来るんだよ。

入る場所はここじゃなくてもいいのに。

平気な顔をしてるけど、お前の無防備な行動にどんな気持ちになるか判るか?

「バスタオルを巻いて何で入って来るんだ。」

「だってスンジョ君に見られちゃうも・・・・・」

見られちゃうって、昨日しっかり見せてくれただろう。

「なら他の方から入ればいいだろ、お前の貧相な胸なんか見たって襲う気ない。」

真っ赤な顔をして胸の前で腕を交差しているけど、どうしようもないだろう。

一度見たら忘れられないオレの記憶力。

「貧相って言うけど、別にいいじゃない。これでもね・・・・・」

「Bの70」

「何が?」

「サイズ・・・・・」

「なんで知ってるのよ、スンジョ君が測った訳じゃないのに。」

湯の中で重みが付いた事も忘れて、お前は本当にバカだな。

そんな風に怒って手を離すから、バスタオルが外れかけてるだろう。

「お前の勝負下着のサイズ・・・・・・・昨日寝相が悪いから丸見えだった。」

手を上げてオレを叩こうとしたハニの腕を掴んで引き寄せて、そっとキスをしてやった。

大体こうすればハニは大人しくなるのだから。

「だ・・だめ・・・・・こんなところで、これ以上は。」

「安心しろ、何もしないって言っただろう。」

「でも・・・キ・・・・・・」

「ただの朝の挨拶だ。お先に!」

ザバッと立ち上がるとハニは真っ赤な顔をして両手で目を塞いだ。

バ~カ、オレだってしっかり腰にタオルは巻いてるぞ。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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