スンジョの戸惑い 146

オレが着替えて、髪の毛も整えたのにまだ出て来ないのか?

湯から上がって30分も経っているのに、いつもゆっくり入っているとはいえ、さすがに心配になって来た。

ガラス越しにハニが浸かっているはずの方を見ると・・・・・・・姿がない。

溺れた?アイツは泳げない。

もし、足を滑らせていたら・・・・・

スンジョは部屋から飛び出して、ハニの名前を呼んだ。

「ハニ!おい、ハニ!」

何度も大きな声で呼んだけど返事をしない。

ハニが入っている方に走って行ったが、そこにはハニはいない。

露天風呂だが、外部からわずかに中は見えるかもしれないが、植込みの枝が込み入っていて簡単に入れる事はない。

湯から上がって足を滑らせてしまったにしても、どこにも倒れている姿もない。

「・・・・・・・スンジョ・・く・・ん・・・ここ・・・・・」

声のする方に顔を向けると、ハニはウォータークーラーの所でしゃがんでいた。

「どうしたんだ?」

「気持ち悪い・・・・・・・吐きそう・・・・」

青い顔ではなく、赤い顔をしていた。

「逆上せ(のぼせ)たんだ。いくら温泉が気持ちがいいからって、長く入り過ぎたんだ。」

歩けそうにないハニを抱いて、部屋に連れてベッドに寝かせた。

スンジョは、急いでタオルを数枚水で濡らして来た。

「足と手に冷たいタオルを乗せるぞ・・・・それと頭の下にも入れるから。」

ハニは頷く元気もないが、僅かに動く表情を見て反応している事に安心した。

「ほら・・・これを飲めよ。ユックリだぞ。」

身体を支えて少しずつ、常温保存されたスポーツドリンクを飲ませた。

「バカだな・・・・・気持ちがいいからと長湯をするからだ。」

コクコクと用意したドリンクを飲み干すと、少しだけ元気になって来た。

「大丈夫・・・・・・」

「ったくお前は・・・・・・迷惑を掛けやがって・・・・・・」

と言いながらも、ハニが少しずつ意識をしっかりさせて来た事にスンジョはホッとした。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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