スンジョの戸惑い 147

赤い顔をしていたハニが、少しずついつもの顔色に変わって来た。

「無理をして起きなくて・・・・・・」

心配そうに見ているわけでもないが、というかそんな表情はしていないはずだが、ハニはオレに『ごめんなさい』と、言っているような顔をして起き上がった。

「ご飯を食べに行かないと・・・・・・」

時計を見るといつの間にか9時を過ぎていた。

お袋が何も言って来ないのは、きっと勝手な想像をしているからだとは思う。

「何だ、お前はこんな時でも食べる気か?」

「だって・・・・同じ時間に食事を摂らないと、スンジョ君のペースが崩れるでしょ?」

確かにそうだけど、食べたいと思えるのならマァ大丈夫だろう。

「そうか・・・・なら、服を着ろよ。」

それまで、自分がどんな格好をしていたのかハニは知らなかったのか、自分の身体を見て真っ赤な顔をした。

「見・・・・・見たの?」

「仕方がないだろう?しゃがみ込んで動かなかったし、身体を冷やさないといけないから。」

動かなければいいのにハニは慌てて布団の中に潜り込んだ。

お尻を見せるから、丸くて白いお尻ははっきりと頭にインプットされてしまった。

「ぜ・・・・全部見たの?」

「見ないようにはしたけど・・・・・・巻いてあったバスタオルが外れていたからな。でも、安心しろよ。何もしてはいないから。」

そんなことを言ったって、ハニはオレを信用していないわけではないが、疑わしそうな顔で睨んでいた。

オレの後ろを少し離れて歩くハニと朝食を摂るレストランに着くと、まだ何人かの人たちが食べていた。

レストランにふたりっきりで、会話も無い状態で食べなくてホッとしたのもつかの間、このタイミングで聞きたくもない声が聞こえた。

「ハニちゃん!お兄ちゃん!ここよ!」

お袋が窓際の日当たりの良い場所で、コーヒーを飲みながら何かを期待しているような顔をして手を大きく振っていた。

「おばさん・・・・おはようございます。あの・・・パパは・・・」

「あの二人も元気なのね。ギドンさんがこの辺りの山菜を取りに行きたいって言ったから、朝食が済んだら行ったのよ。ウンジョも付いて行っちゃったから私一人なの。」

おじさんは昨日の夜、遅い時間に到着しているはずだ。

いつもの習慣なんだな、朝早く起きるのは。

「遅かったわね、昨夜はスンジョが眠らせなかったのかしら?」

澄ました顔をしてコーヒーを飲んでいるが、期待をしているのだろ?

「オレは眠らせたが、ハニの方がオレを眠らせなかった。」

間違いではないが、お袋は違う方に取っているに決まっている。

「まぁ・・・・・・ハニちゃんって意外と積極的なのね。」

お袋の言っている意味がハニには判っていない。

「私はそうじゃないと思うんですけど・・・・・スンジョ君が・・・・・エッチなんです。」

何を言うんだよ、今朝の事か?あれは仕方がないだろう、バスタオルが外れたんだから。

「そうなの?お兄ちゃん・・・・・難しい本ばかり読んでいると思ったら、そっち系の本を読んでいたの?」

そんな本なんか見るか。

「そうみたいですよ、今朝もスンジョ君・・・・・・・」

ハニが話せばお袋の妄想は違う方に行くだろう。

振りをしろと言ったが、お前は昨日の約束など忘れているから言わなくてもいい事まで言うんだろう。

肘で突いても、オレがハニの身体を見た事を根に持っているのか、こっちを見ようともしない。

ハニの口を塞ぐためにはこうするしかない。

オレはハニの口を手で押さえて、開き直り気味にお袋に言った。

「ああ・・・今朝もふたりっきりの時間を愉しませてもらった。他のヤツらは受験で大変なのに、オレ達は気が楽だったから気が付いたらこんな時間になっていた。」

コーヒーを飲み干して、嬉しそうな顔をしてお袋は指で数えながら、オレ達の前から離れて行った。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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