スンジョの戸惑い 153
「そっかぁ・・・・スンジョ君の人生はここから始まったんですね。」
「フフ・・・・・そぉなのよ。星屑湯に入って・・・・・・ッフフフ、あの部屋で結ばれたのよ・・・・・キャー言っちゃったわ。」
「ママァ・・・・・そういう事は、この場で言ってはいけないでしょう。」
「つい・・・・ハニちゃんたちも、私たちと同じ道を辿ると思うと・・・・・・」
ギドンはギョッとした顔で、ハニとスンジョの顔を見た。
グミの暴走発言は誰かが止めないと、さらに違う方に進んで行ってしまいかねない。
「お袋、飲み過ぎじゃないか?」
「そ・・・・・そうだよママ。あんまり飲むと、明日の帰りの道中に気分が悪くなるよ。」
「そんなに飲んでいないのに・・・・・・・・」
気がつけば隣にいるハニも、グミに酌をされてチビチビと飲んでいる。
白い顔が赤くなるのを通り過ぎて、顔が蒼くなっていた。
「ハニや、お前飲んだのか?」
「ちょっちだけぇ~」
「さぁ・・・もう寝なさい。今日はパパと同じ部屋でいいだろ?」
「らめ!すんぢょくんろおなじへやがいいのぉ~。」
酔って、勢いよく腕を伸ばすとスンジョの顔を直撃した。
「スンジョ君、大丈夫か?ハニは酒を飲むと記憶がなくなるんだ。今日はスチャンと一緒にこっちの部屋で休むといい。」
部屋割りを決めたグミは酔いつぶれ、その横でウンジョも居眠りをしている。
「おじさん、大丈夫ですよ。明日帰る時におじさんは車の運転をしないといけないですから、今夜も一緒にハニと寝ます。」
「いいのかね・・・・・・・」
「大丈夫ですよ、お袋が考えているような事はしませんから。」
きっぱりと言い切ったスンジョを信用して、昨日と同じ部屋で最後の夜を過ごす事になった。
ギドンが言った通り、酔いつぶれたハニは暴れたり騒いだりと大変だった。
この宿を買い取っているのなら他の部屋も使えばいいが、そんな事を考える事すら忘れるくらいに酔っ払いハニを抑えつけなければいけなかった。
ベッドの上で大の字になっているハニに向かってスンジョはつぶやいた。
「オレが四字熟語なら、お前も同じだ。天然馬鹿。」
その言葉に気が付いたのかむくっと起き上がって、スンジョに向かって呂律の廻らない口で絡み始めた。
「すんぢょくん・・・・・ワラし達も思い出つくろぉー」
そう言うが早いか、ハニの手はスンジョのボタンをはずして、ズボンのベルトにまで手をかけた。
「おい!何をするんだよ。」
スンジョがハニの手をはらっても酔っぱらったハニの力はとんでもなく強かった。
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