スンジョの戸惑い 154
「やめろ!何をするんだよ・・・・ぅわぁ~~」
ハニはスンジョのズボンを下げるのと同時に、思いっきりスンジョに向かって吐いた。
「き・・・・気持ち悪い・・・・・・・ぅうえ・・・・・・・」
嘔吐物まみれのスンジョは、急いでずり下がったズボンを上げて、近くにあったゴミ箱をハニ差し出した。
ゴミ箱の中には、グミからハニがもらったプレゼントが入っていた。
「スンジョ君・・・・吐けない・・・・このプレゼントおばさん・・・・ぅっ・・・・」
吐けないと言いながら思い切り吐いたハニは、グミから渡されたプレゼントに手を伸ばした。
「そんな物、取るな!使わないんだから捨てておけよ。」
頷くのがやっとのハニは、その後も何度も吐いた。
翌朝、少し開けた窓から風が入って来てハニは目が覚めた。
窓の所に干されたスンジョのズボンと下着を見て、ハニは昨夜の記憶が途中で消えている事に気が付いた。
「確か・・・・昨日お酒を飲んで沢山吐いて・・・・ゴミ箱にあった・・・・・えっ?」
スンジョの寝息が聞こえる方見て起き上がると、ソファーで眠るはずのスンジョがすぐ横で眠っていた。
ほんの少し布団を開けて見ると・・・・・スンジョは下着一枚のまま眠っていた。
自分の身体を見ると、スンジョと同様下着とキャミソールだけだった。
思い出・・・・作っちゃった・・・・・・・・・
ヤダ・・・・・・・全然覚えていない・・・・・・・どうしよう・・・・・・
そうだ、とにかくシャワーで身体を綺麗にして・・・・・
スンジョが起きないように、ハニはそっとベッドから出て立ち上がった。
え?え~~~~~~
おばさんからもらったの・・・・使ったんだ、それも全部?
ゴミ箱とその周囲は空箱と嘔吐物に混ざって、ティッシュやらハニの脱いだ服やその他もろもろの物が落ちていた。
シャワーの水の音でスンジョは目を覚まし、ベッド周辺のごみを集めて袋にまとめた。
「あーくっさ!ハニのやつ思いっきり吐いて・・・・・急いで洗ったけど、ズボンに付いた匂いが取れないじゃないか。」
嘔吐物の臭いはそう簡単には取れない。
キャリーバックから新しい服を出して、スンジョはシャワールームの前でハニに声を掛けた。
「まだ時間がかかるか?」
スンジョの掛けた声に驚いたのか、ハニは何かを落としたようだった
「まだダメ・・・・・綺麗に洗ってるから。」
「臭いが残るから綺麗に洗えよ。オレは親父の部屋でシャワーを浴びて来るから。そのままハニは自分の荷物をまとめて出て来いよ。朝食を食べたらすぐにここを出るから。」
ハニはスンジョが部屋を出て行くのを確認して、安心したように大きなため息を吐いた。
温泉から帰ってから何日も経つが、ハニはほとんど部屋から出て来ない。
「お兄ちゃん、ハニちゃんと喧嘩をしたの?」
「してない。」
「そう・・・・それならいいけど。それと・・・・・・・ふふ・・・・・」
「なんだよ、その笑いは。」
「アレ・・・・・全部使ったのね?ごみを捨てる時はもっと見えないようにしないと・・・・ふふふ。」
「何を言ってるんだ。使うか・・・・・あれは・・・・・・まぁ・・いいや。」
グミは完全に誤解をしたまま、嬉しそうにキッチンに立って行った。
アレはハニが・・・・もしかしてアイツあの時の事、覚えていてオレと顔を合わせたくないのか?
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