スンジョの戸惑い 157
謝恩会は1組と7組の合同で行われた。
いつも言い争っていた二人のソン先生は、少しアルコールが入ったからなのか、知らない間に意気投合していたかと思ったら、頬をくっ付けるようにしてアドレス交換をしていた。
人の気持ちがこうも簡単に変わるのかと思ったら可笑しくなって来た。
「おい、スンジョ。」
謝恩会もお開きになって出口でハニを待っていると、1組の一応友人であるキム・ジョンチョルが声を掛けて来た。
「何だよ。」
「さっきお前たちが来る前に、トッコ・ミナとチョン・ジュリが言っていたけど、オ・ハニ・・・デキたんだって?」
そうか・・・コイツにまで伝わったか。
スンジョはこの男が嫌いだ。
外見では到底かなわないからと、必死に勉強をしてスンジョを落とそうとしている。
それだけではなく、ハニの事をずっと片想いをしているから、スンジョに付きまとって友人と思い込んで隙があればハニに近づこうとしている。
スンジョがハニと付き合っていることが最近は面白くなくて、やたらと色々な事を聞きたがっている。
「デキた?」
「妊娠したんだろ?」
スンジョはニヤリとした。
「食い過ぎだ。」
「へっ?」
「式が始まる前に、教室で菓子を食べたらしい。それじゃ!」
ハニが近くまで来たのを確認すると、ジョンチョルに見せつけるようにハニの肩に手を乗せて店を出て行った。
予想はしていたが、家に帰るとグミがお祝いのパーティの準備をしていた。
派手に飾り付けられたリビングに入ると同時に、夥しい(おびただしい)紙ふぶきと、騒々しいクラッカーが鳴った。
「お兄ちゃん、ハニちゃん、おめでとう!」
スチャンもギドンも嬉しいのか二人は目に涙を浮かべていた。
弟のウンジョだけが面倒臭そうに、グミに言われるがまま紙ふぶきを舞いていた。
「おばさん、無事に今日パラン高校を卒業しました。こんなに豪華な卒業祝いをしてくださって、ありがとうございます。」
「卒業祝いじゃないわ、ご懐妊祝いよ!」
「誤解人?私はそんなに誤解する人じゃないんですけど・・・・・・」
アホかこいつは!!
「妊娠したんでしょ?式の最中に気分が悪くなって退席したじゃない。」
思った通りグミは完全にハニが妊娠していると思い込んでいた。
「妊娠なんかするかよ。今日から月のものが始まったんだから。」
スンジョのガツンと来るような言葉に、二人を待っていた家族は固まってしまった。
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