スンジョの戸惑い 158
「月のものって?」
スンジョの言葉に固まった親たちは、ウンジョの声で我に返った。
「だって、ハニちゃんは卒業式の最中に気分が悪くなって退席をしたじゃない。」
「ごめんなさい・・・・・実は、式の前にみんながお菓子を持って来てくれたから、つい美味しくて・・・・・」
「でも・・・でもでも、お兄ちゃんアレは必要ないって言ったかと思えば、アレを全部使ったみたいじゃない。だから・・・・そう思ったのよ。」
スンジョはハニに説明をするように顎で指した。
「実は・・・・スンジョ君のズボンに酔った私が吐いて・・・・酔って羽目を外しておばさんからもらったアレを全部開けて使えなくなったんです・・・・そのまま朝まで眠ってしまって・・・・・・・」
「何もなかったのね・・・・・・」
コクンと頷くハニに、グミはガッカリとして息を吐いた。
それとは別に、スチャンとギドンはホッとしていた。
「まぁ・・・これでよかったんだよ、ね?ママ。これから大学生活を送るのに、結婚もしていないうちに子供が出来たら、勉強どころじゃなくなる。」
スチャンはそう言ってグミの肩をポンポンと叩いて立ち上がった。
「どこかに出かけるのか?」
「健康診断でね。心臓に不安があるって・・・・その最初の診察に行かないといけないからね。」
「親父・・・・・無理をするなよ。」
急にしんみりとした空気を変えたのがハニだった。
「おじさん、スンジョ君が立派な医者になるまでは死なないでください。」
プッとウンジョが噴出した。
「馬鹿オ・ハニ!パパを勝手に殺すなよ。まだ小学生の僕がいるんだ。大人になるまで頑張ってね!くらい言えよ。」
家中がハニの“死なないでください”を聞いて大爆笑をした。
「そうだよおじさんはそう簡単に死ぬわけにはいかないんだ。スンジョが医者になってウンジョが成人するまでは、そう簡単には死ぬわけには行けない。それにそんな重篤な状況じゃないから、薬をもらって来るだけだよ。」
スチャンはそう言って、出かけて行った。
親父・・・・そういえば最近忙しそうだったな。
本当は長男のオレが医学部じゃなくて、経営学部に行ってほしかったのは知っていた。
いつも考えを尊重してくれるから、そんな事も気が付かなかった。
ゴメン、親父。
オレが医者になる迄元気でいてくれよ。
少しずつ状況が変化が、ペク家に訪れてきた。
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