ハニの戸惑い 24
自分が選んだドレスは、先の事を考えて諦めないといけなくなった。
今お腹の中にいる子供は、おばさんもおじさんもパパも喜んでくれているけど、二人だけの結婚式は嬉しいような・・・・チョッと寂しいような。
「お客様・・・・よろしいでしょうか?」
「はい。」
いくつかドレスを見繕ってハンガーポールに掛けて持って来てくれた。
「ご婚約者様が、何点かご覧になっていた物を覚えておいででしたので。」
スンジョ君は、興味がなさそうにしていたのに覚えていてくれたんだ。
この中で一番気に入ったのはこのドレス。
胸のところで切り替えがあって、太いリボンがポイントになっている。
背中が大きく開いているけど高い位置にあるリボンがすごく可愛いと思っていた。
「これでしょうか?」
「ええ・・・」
「これならお腹が大きくなっても、お腹を締め付けたり又は膨らみかけたお腹を強調されたりすることはございませんよ。」
シフォンがタップリと使われている割に、軽くて着心地が良かった。
「どうですか?」
「これにしようかな?・・・・・・すみません・・・これって・・・・・高いですか?」
「そうですね・・・・この中ではそれなりのお値段ですが、ご婚約者様が気になさらなくてもいいとおっしゃっていました。」
スンジョ君はたとえ高くても買ってくれるかもしれない。
私的にはスンジョ君のおばさんにも随分とお世話になったから、ドレスだけでも私の貯金で買わないといけないと思った。
「いくらですか?」
一瞬、店員さんは驚いた顔をしたけど、仕事モードにすぐに変わった。
「369万ウォンです。」
369万ウォン・・・・・・・貯金額にはちょっと足りない、でもパパにお金を借りれば・・・・・・
綺麗に着せてもらったドレス姿をスンジョ君に見てもらおうと、試着室から出て歩いて行くと、そこに待っているスンジョ君が意外にも私に見とれている。
見とれて?
何か言ってよ、スンジョ君。
恥ずかしいじゃない。
「いかがでしょうか?とてもお似合いだと思いませんか?」
「・・・・っぁ・・・・あ・・・それにするか?」
「いい?」
「ハニがそれでいいのなら。」
「これで・・・・・お願いします。」
また試着室に戻って着替える時に、頭の中は数字がいっぱい並んでいた。
まだ、必要なものは靴やベールにブーケ・・・と結婚指輪。
ただ好きな人と二人だけの結婚式なのにお金っているんだなと思った。
恥ずかしいけど、勇気を出して・・・・取り置きにしてもらって、後からお金を払う話にしようと思った。
けど・・・・・・
着替えが終わってスンジョ君の所に行ったら、支払いはもう終わっていた。
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