ハニの戸惑い 26
1日で結婚式をする教会決めて、ドレスに指輪を買って、その都度スンジョ君が支払っていた。
カード払いじゃなくてすべて現金で。
そんなにアルバイトをしていたのなんて、私は知らなかった。
だって、私は短い期間でチキン屋さんのアルバイトか、ハンバーガー屋さんでしただけ。
それもほとんど雑誌や、お菓子に消えてしまってあまり貯金も貯まっていなかった。
「不思議か?オレがカード払いじゃなくて現金で支払っているのが。」
「まぁ・・・・・・」
また声に出ていたのかな?
「カード払いだと、家に明細が届くからお袋に分かってしまうだろう。で・・・・現金にしたんだ。お前が気にしているのは、あとバイトの事だろ?オレがいつバイトをしていたのか。」
どこかからお金が湧いて来るはずがないから不思議だった。
スンジョ君の家はお金持ちだから、お小遣いもたくさんもらっているのだろうかとも思っていた。
「ネットで、株を売買しているんだ。」
「bye bye?」
手を振ってバイバイをしたら、スンジョ君は吹き出した。
「違うよ。売り買い。」
瓜か稲?
判った顔をしても、スンジョ君は私の顔を見て、判っていないだろうと思っている。
「親父の会社の事も知らないといけないと思って、代理で会社に行っていた時に調べていたんだ。他の玩具メーカーの動きを見るのも社長の仕事だからな。このまま会社に来る事になるのかと思っていたから、貰った給料を使ってちょっと試したら、運よく株が上がったから、その資金をまた投資してみたんだ。ウンジョに会社を任す事が出来たら、どんなに時間が経っても医者になろうと思っていたし、その頃にはハニと結婚していて子供も何人かいるだろうし、成人しているのに学資資金は親に頼れないから蓄えたんだ。」
意外だった。
お金持ちの家なのに、スンジョ君は親に元々頼る方ではなかったのに、私と結婚してその先までの事を考えていたなんて。
「さすがに天才だね、スンジョ君は。」
「そうかな?男なら結婚したら妻を養なうのが普通だろ。ハニはオレにとっては宝物だから。」
二人っきりだとスンジョ君は凄く優しい言葉を掛けてくれる。
でも、どうするんだろう・・・・・ドレス。
部屋に持ち込むにもおばさんに見られちゃうよね。
「と・・・・・ドレスを運ぶ事まで考えていないわけじゃなかったけど、意外と嵩張る(かさばる)もんだなドレスって。」
と言いながら、そのままスンジョ君はドレスの箱を隠しもしないで持って車を降りた。
「おばさんに見られてもいいの?」
「中身まで見やしないさ。堂々と持って行けば疑わないだろうし。箱には何も書かれていないから、見つかりやしないさ。きっと家に入ったら、お袋はお前しか見ていないから。」
そうかな・・・・と思いながら、玄関のドアを開けたら、ビンゴ!
「まぁ~ハニちゃんお帰り。おばさん心配していたのよ。スンジョがハニちゃんを連れまわしてどこに行ったのかって・・・・・・・ささ・・・・座って座って。」
凄いスンジョ君の考えている事はと思って見ると、スンジョ君はもう階段を上っていた。
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