ハニの戸惑い 29
スンジョの体臭だけに吐き気を感じては、いつも二人でお互いどちらかの部屋で過ごす事も出来ない。
体臭なんてスンジョ君にはないのに、どうしてなんだろう。
元々、香りのある物はあまり好きではないから、使っている物はシャンプーやコンディショナーにボディーソープだけ。
整髪料だってごくたまにしか使わないし・・・・・
おばさんも数ヶ月の我慢よ・・・・と言ってくれたけど、同じ家に暮らしているしスンジョ君のいない場所なんてないのに・・・・
「ハニちゃん?大丈夫?」
「大丈夫です、もうお風呂から上がります。」
長湯はしていないように、いつもはスンジョが心配して様子を見に来てくれるが、スンジョにだけ吐き気がしては誰がその役目をするのか・・・・
もめる事なく、グミがスンジョに頼まれた。
「いくら娘でも・・・・風呂に様子を見に行くのは・・・・」
と、ギドンが言えば
「パパも、息子の嫁になる女の子の風呂に行くのは・・・・」
スチャンにしても当たり前の事だ。
次にウンジョに振られれば、ウンジョが言葉を発する前にスンジョが却下。
「私しか、いないじゃない?」
一応“私しか・・・”と、控えめに言っているが、グミは最初から自分でその役割をするつもりだった。
風呂から上がり、パジャマを着てランプが点滅しているスマホに視線が行った。
スンジョ君だ・・・・
___ 風呂から出たらメールして知らせろよ
いつもと変わらず、短い文面のメール。
少々怒りが伝わるような、絵文字一つも含まれていない。
バスルームから出て、リビングに行くとソファーで本を読んでいたスンジョがいたが、すぐにハニの為にグミが冷たい飲み物を持って近づいた。
「はい、水分補給よ。」
ブブ・・・ブブブ・・・・
スマホのバイブ音が聞こえて、スンジョからのメールが届いた。
5分長いぞ、水分をしっかり摂ったら、身体が冷える前に寝ろよ。
文面を見て、スンジョの顔を見ると不貞腐れて本を読んでいた。
いつもなら水分補給後は、長々とバルコニーで二人並んで外を見ているのに、今日に限って早く寝ろというスンジョが可笑しかった。
____ お休みスンジョ君・・・・
_________ お休み
いつものお休みのキスもなしに、ただメールのやり取りだけの挨拶をしてハニは部屋に戻りベッドの中に入った。
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