ハニの戸惑い 32
モニター画面に映し出される、まだ人の子供だともわからない小さな塊。
その塊のような小さな命を、ハニよりも熱心に見ているグミは、今まで見た事もないほどに真剣な顔をしていた。
おばさん・・・・もしかして、なんて不細工な子供かしらと思ってるのかな。
スンジョ君はおばさんとそっくりだし、ウンジョ君も少しポッチャリしているけど、あと数年したらきっとスンジョ君に似てくるはず。
「グミさん、どうかしましたか?」
「パク先生・・・・最近の超音波って凄いですわね。」
「そうですね、スンジョ君やウンジョ君の時の物に比べたら、雲泥の差ですからね。医療は日々進歩していますから。」
「その最新の設備がこのパラン大病院にあるのは知っていますが・・・・・・性別は・・・・・」
「まぁ・・・・お気の早い。そこまではまだわかるほどの技術はないですね。今は3ヶ月に入るか入らないかですから、あと二月(ふたつき)待っていただかないと。」
どうやら、グミがハニに付いて来たひとつの目的は、性別を知る事だったようだ。
「先生、私・・・娘に恵まれなかったので、初孫には女の子と決めているのですけど、今からその性別が確実に女の子になるようにするには息子にどうしたらいいですか?」
「まっ!それは受精した時点で決まるので、いくら私に相談されてもどうにもなりませんね。」
「そうでしょうね・・・・判ってはいるのですが・・・・・でも、息子と嫁はお互い暫く近寄れませんからね・・・・・うちの嫁、息子の体臭だけはダメみたいなんです。」
おばさん・・・・それだけは言わないで。
私、すごく辛いのだから。
キスも出来なければ、スンジョ君に抱きしめてもらう事も出来ないのが本当に辛くて悲しいの。
「先生・・・・三度目の正直で、今回は絶対に女の子の気がするの。もし男の子だったら先生を恨みませんけど、女の子が生まれるまでお世話になります。」
おばさんの女の子欲しい病は、かなり深刻みたい。
今のこの状況で、家に帰ればスンジョ君と二人だけの結婚式もばれそうな気がする。
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