ハニの戸惑い 33
おばさんのパワーに押されながら、何事もなく妊婦健診が終わった。
____ 会計窓口でおばさんが「ハニちゃんが念願かなってスンジョの嫁になって女の子を産んでくれるから、支払いはおばさんにさせて」そう言ってサッサと支払ってくれた。
無理だよ、スンジョ君。
おばさんの暴走を私は止められそうにないよ。
見ず知らずの人にも話すんだよ。
「家の嫁が可愛い孫娘を生むのよ・・・」
なんて、産まれるのは女の子と決まっているように言うんだから。
____ ハニの悪阻が無かったら、オレが一緒に行けたのにな。どうしてオレの臭いだけがダメなんだよ。欲求不満だぞ!
____ 欲求不満って・・・・やだ・・・・エッチな事を考えてるんでしょ。
____ バーカ、お前以外に欲情しないよ。ハニとキス出来なくたって、浮気は絶対にしない。お前こそほかの男にクラッとするなよ。もう授業に行くから、お袋の暴走も出来るだけ無視しろ。
「ハニちゃん!」
「あっ!おばさん。支払いありがとうございます。」
「いいのよぉ~結婚式を挙げていなくても、ハニちゃんはうちの嫁と同じよ。誰とメールしていたの?」
グミはハニの様子を伺いながら、ニヤニヤと笑っていた。
「お兄ちゃんにメールしたんでしょ?」
「判ります?」
「そりゃぁね。スンジョの臭いに反応してから、家でも二人がメールでやり取りしているのを知っているから。キスだって出来なくてスンジョの欲求不満も爆発寸前よね。」
「お・・・おばさん・・・・スンジョ君は浮気はしないって・・言ってました。」
思わず大きな声で叫んでしまったから、人の視線がハニの方に注がれて、思わず口元を隠した。
「判ってるわよ。スンジョはハニちゃん以外に欲情もしないだろうし。」
おばさん・・・・・メールの内容まで知っているの?
「そんなやり取りをしたんでしょ?」
「判りますか?」
「やっぱりそうだったの?」
おばさんに引っかけられた?
スンジョ君がからかう所は、おばさんのこんな所が似たんだ。
「ハニちゃんは嘘が吐けないし隠し事が出来ないから、そんな所がスンジョとお似合いだとおばさんは思っていたの。スンジョもそんなハニちゃんが好きなのよ。」
スンジョ君とおばさんは顔も似ているけど、性格まで似ていたのかもしれない。
「ところでね、今日は学校には行かないのでしょ?」
「ええ・・取っている授業が無いので。」
「甘い物でも食べて帰ろうか?甘い物は食べられるでしょ?」
おばさんのこの『甘い物を食べて帰ろうか・・・・』と言うのは、本当に危険な甘い誘いで怖い。
でも、付いて行かないとまた何か誤解をされてしまうかもしれない。
スンジョとの隠し事があるだけに、大好きなグミとの検診もハニにとってはストレスとなっていた。
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