ハニの戸惑い 35
「やっぱりそうだったのね。」
「やっぱりって・・・・・・おばさん知っていたのですか?」
フフフ・・・・・と、不敵な笑いをするグミに、ハニは急に寒気を感じた。
「そりゃあ・・・・こう見えても母親だし?童顔だけど私はスンジョよりも知識豊富な大人よ。まっ、知識豊富と言っても雑学だけど・・・・・・薄々感ずいたのよ。クローゼットの奥にあるキャリーバックのその奥に何かが隠されているって・・・・・・でもバカよね、スンジョも。あのお店は私の同級生のお店で、連絡があったのよ。もちろん個人情報だから何が入っているのかは知らないけれど、スンジョ行きつけのお店でもないし・・・・・・・」
完全にバレていた。
「グミ、お宅のイケメンの息子さんが彼女を連れて来たわよ。って、多分ハニちゃんたちがお店に入って直ぐだと思うの。彼女は、私の息子だから価格も特別にしてくれるつもりで言ったのだけれどね・・・・・その時に、もしかしてデキ婚?って聞かれたから素直に、そうよって教えてあげたの。」
スンジョ君・・・・・もう終わりだよ。
私にはこの状態を乗り切れる自信はないよぉ~。
小さいころに亡くなったママも、私を男手で育ててくれたパパも、嘘を吐いたらダメだと教えてくれたから、限界・・・・・
「・・・・そうなんです・・・・大人の都合のいいようには行きたくない、って・・・・・スンジョ君のバイトで稼いだお金で・・・・・って・・・・・」
「まぁまぁまぁ・・・・・・・スンジョったら、どれだけバイトで稼いだお金があるのよ。で・・・・・・・二人でどこまで決めていたの?」
もう・・・・無理だからね・・・・おばさんには嘘で上手く誤魔化そうとすると私の頭が爆発しちゃうから・・・・
「スンジョには何も言わないわ。だから私にだけは話してね・・私にだけ。」
「い・・・家の近くの教会で結婚式の予約をしました。日にちは、スンジョ君の補講や私の補講の関係で、来月にするつもりでした。でも、悪阻が始まって延期にしてもらいました。」
「そうだったのね・・・・・」
おばさんに全部話してしまったら、私はなんだかホッとして急にお腹が空いた気持になり、目の前に並べられたケーキや甘い物がポクポクと口の中に入って行った。
「さ・・・聞きたいことは全部聞いたから、ハニちゃんも気持ちが楽になったでしょ。」
「はい・・スンジョ君の言うとおりにしたい反面、二人だけでの結婚式に寂しい感じはしたんです。出来れば沢山の人にお祝いをして欲しいなと思っていたんです。」
「沢山の人にお祝いしてほしいわよね。どちらにしても、スンジョの臭いだけにハニちゃんが吐き気をもよおすのだから、式場の予約はしばらく入れられないわね。」
ハニは、グミの戦法に掛ってしまったように、スンジョに口止めされている事を全部話してしまった。
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