ハニの戸惑い 43

「ほら、出来上がりだよ。こんなに切っちゃっても大丈夫?」

ちょっと悲しい気持ちもしたけど、たまにはこんなに切ってもいいかもしれない。

「髪の毛なんて、そのうちに伸びるから。」

髪の毛をこれほど切ったのはいったいいつ以来だろう。

「はい、カット代・・・・」

ハニが財布から紙幣を出すと、ジュリはそれを受け取ろうとしなかった。

「いらないよ、私とハニの仲じゃん。」

「受け取ってよ、今のジュリは美容師としての資格も持っているし、人気スタイリストじゃない。」

お金を押したり引いたりしながら、お互いそんなやり取りを暫くしていた。

「お店に来た時に貰うから・・・・・本当にいいよ。ハニとミナがいなかったら、美容師としての仕事はしていなかったし、ずっと三人は友達だからお金はいらない。ハニがちゃんと結婚して、ペク家の嫁になって子供が無事に産まれるまで、このお金はその時のために取っておいて。」

それなら・・・・・、ハニはお金を財布にしまった。

「お腹・・・・もう一度触ってもいい?」

「いいよ、この子は未婚のまま出来た子供だけど、みんなに喜ばれてきっといい子供だと思う。」

ポコッ ポコッポコッ

胎動を感じてからは、お腹の子供がまるでハニが話している事が聞こえているみたいに、タイミングよくハニのお腹の中を動いてその存在を教えている。

「私が、妊娠してもハニみたいにこんな風にお腹が動くのが判るのかな?」

「えっ!ジュリ、あの彼とそんな付き合いをしているの?」

「していないわよ、だって彼はまだ軍隊にいるから。電話が掛ってきたりすると、電話越しにお休みのキスをするだけ。それもコレクトコールだから気にしてあまり長く話せないし、向こうに一人だけじゃなくて管理している人もいるからそう言う話は出来ないじゃない。私はほらこの体系だから、お腹の脂肪で膨らんでも判んないだろうなって。」

プッ!と吹き出して、暫く二人は笑い続けていた。

ジュリに、これからスンジョと待ち合わせをしているからと話して、いつもの場所まで一人でゆっくりと歩いて行った。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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