ハニの戸惑い 52
みんな楽しそう。
まるで同窓会みたいで、敵対していた1クラスと7クラスのみんなが、こんな風に笑っているなんていいなぁ。
「疲れたか?」
「ううん、大丈夫。」
片想いしていたスンジョ君もすごく優しいし、こんなに優しい顔で笑うのを見る事が出来て本当に良かったと思う。
付き合い始めた時も、学校のみんなや親たちにも内緒で、ちょっとドキドキ感はあったけど、いつか嫌いになられたらどうしようとビクビクしていた。
たった一度の事で赤ちゃんが出来ちゃった時は、どうしたらいいのか判らなかった。
スンジョ君は計算していたって言うから、すごいよね天才って。
あれ?
なに?い・・・痛い・・・・
時々腹部がキュッとして来る事に、誰もハニの表情が変わっている事に気が付かない。
まだ予定日までは随分ある。
胎動を感じたばかりの時の不安とも違う。
痛・・・・た・・・・・・
フーッと息を吐いた時に、スンジョがハニの様子のおかしい事に気が付いた。
「痛いのか?」
「お腹が・・・・・チョッとね・・・・赤ちゃんが動いているのだと思うけど、いつもとは違うみたい。」
「部屋に行こうか?」
「うん・・・・・・」
祝っている人の中からグミの姿を探すが、声はするが姿は見えない。
このまま黙って行ってもいいが、言ってから行かないと大騒ぎをするだろう。
たまたま近くにウンジョの姿を見つけて、スンジョはウンジョを呼んだ。
「どうしたの?」
「お袋はどこにいるんだ?」
「ママ?あそこでみんなとお兄ちゃんの子供は女の子か男の子か賭けているよ。」
こんな時にそんな事をやっているのかと思うが、グミならやりかねないとも思う。
「お袋に言っといてくれるか?ハニが疲れたから部屋に行ったと。」
スンジョはそう言うと、ハニを抱き上げて大広間から出て行った。
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