グミの戸惑い 1
夢にまで見た女の赤ちゃんが、私の腕の中で可愛い顔をして眠っている。
この感触を、私は長い間待っていた。
可愛い嫁のハニが、私の為に産んでくれた。
可愛い嫁とよく似たこの孫は、理想の私の中の女の子。
ただ、時折見せる表情が気になる。
息子のスンジョが抱いている時、確かにスンジョはハニちゃんと出会ってから表情が出るようになって、人間らしくなってはいるけれど、子供が産まれてからは本当に良くなった。
この間の夜、私が見ていないと思って、二人でこのリビングではなく二階のフリースペースでスンハを抱っこして、いい雰囲気の時があったわね。
これはもしかして・・・・と思って、常にポケットに忍ばせているカメラで撮ったこの写真。
長くて甘くて熱いキスをしたわよね。
そうそう、この時のスンハの目・・・・・・
ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、ラブラブな両親を下から見上げていた。
この表情は、スンジョと全く同じ。
「スンハや~、アッパとオンマがチューをした時は、しっかり目に焼いておくのよ。大きくなったらその時の事を、二人に話してあげてね。」
「フニャ・・・・・」
確かに返事をしたわ。
「お母さん、お待たせしました。スンハ、オッパイの時間よ。」
ベビーベッドで眠っていた生後2ヶ月のスンハを、ハニは抱き上げてスンハの部屋に置いてあるソファーに腰かけた。
「スンジョは何をしているの?」
ちょっと、私は気になってハニちゃんに聞いてみた。
だって、スンジョが大学から帰って来てから二人で仲良く部屋に行ったと思ったら、一時間も出て来ないのだもの。
きっと二人はイイコトをしていたに違いないわ。
「えっ・・えっと・・・スンジョ君は、着替えて・・・今ベッドで休んでいます。」
「疲れているみたいね。」
「そ・・・そ・・・そうですね。昨日まで泊まり込んで研究レポートを作成していたから。」
ハニが戸惑って、赤い顔をしている事にグミはピンときた。
「スンハの姉妹が早く出来るといいわね。」
「お・・お母さん・・・私、大学はちゃんと出ますから。」
在学中でも出産したのはあなた達夫婦でしょ。
スンジョは計画通りに進むと思っているけど、私は判っているわよ。
時々片付けるゴミ箱の中身。
スンジョが自分で捨てる時と、私が捨てる時の違い。
それに・・・・・
ハニがスンハのお腹を満たすために開けた胸元に、しっかりとスンジョに付けられたであろう赤い印。
ハニちゃんの良く出るスンハの為の物は、スンジョのお蔭ね・・・・
私ったら、もしかしたら ス・ト・-・カ・-になってしまったのかも・・・・・
でも、こんなに幸せな息子夫婦を見ていたら、私が後悔していた15年間が報われたように思えるわ。
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