グミの戸惑い 5
『可愛い』
笑うと、そうみんなに言われていたから、スンジョはまだ言葉もしっかり話せない頃から、カメラを向けるとポーズをとっていた。
それは、私だけではなく他の人が向けても同じ。
私は、感覚がまひしていたのかもしれない。
スンジョは本当は女の子で、あの余分に付いている物は大人になってから取ればいいなんて本気で思っていた。
「何だよ、気味が悪いな。」
「ホホ・・・大人になって取らなくて良かったって・・・・」
「何の事を、言ってるんだ。」
「気にしなくてもいいわよ。こうしてかわいい嫁と一緒に、女のコを育てる事が出来て。」
取ってしまったら、こんな幸せは来なかったわよね。
私と血縁のある孫のこの可愛さと言ったら・・・・・・
「食べたいくらい。」
思わず声に出してしまうほど、スンジョと似た目つきをするスンハは言葉が分かっているのだろうかと思ってしまう。
「お母さん、スンハを食べないでください!」
「冗談よ。それ位可愛いのよ、孫が。」
「どうだか。お袋の事だから、本当に食べるかもな。」
ハニは、グミの冗談とスンジョの冗談を冗談と取る事が出来ないのか、スンハをグミから奪うように受け取った。
大好きなスンジョ君の赤ちゃんを、大好きなお母さんが食べてしまうのなんて事を絶対にさせない!
「バーカ!」
誰かが言ったが、スンジョは本を読み、グミはキッチンで洗い物を始めていた。
誰の声なのか、辺りを探すがスンジョとグミの他にいるのは、自分と腕の中でハニをじっと見ているスンハだけ。
まさかね・・・まさかスンハが話しをするはずが無いよね。
目だってまだよく見えていないのだから。
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