グミの戸惑い 13

「なんとか助けたいな・・・・・・娘が小さい時に最愛の妻を亡くした上に、新築の家を震度二の地震で崩壊するなんて、不運としか言えないよ。何とかならないものかな・・・・・・・」

「うちに住んでもらったらどうかしら。ギドンさんの娘さんはスンジョと同じ年齢でしょ?これも何かの縁かもしれないから・・・・待っていてパパ。テレビ局に問い合わせをしてみるから。」

スチャンはグミの企てを知らないし、多分誰もその時はグミの考えを知るはずもない。

グミ自身、まだその時の思いはただ『パパの為・・・』だったのだから。

「もしもし、こちらペク・スチャンの妻ですが、今K※S放送のお昼のニュースを見て、電話をしているのですが・・・・・ええ・・・震度二の地震で新築の家が崩壊した・・・・・そうです、そのオ・ギドンさんが主人の永年探していた友人で・・・・・あの方の連絡先をご存知でしたら・・・・はい・・はい・・・はい・判りました。感謝いたしますわ・・・・・まぁ!ご存知でしたの?それでは会社の方からこのお礼をさせていただきますわ。」

グミはスチャンの方を振り向いて、ニッコリと笑って“V”をした。

「これがギドンさんの住所と連絡先よ。この『ソ・パルボク』というのはお店みたい。今はホテルに泊まっているみたいだけれど、昼の間はここのお店で仕事をしているのですって。それでね・・・・・K※S放送の方に情報を提供してくれたお礼をする事を約束しちゃったわ。」

ずっと探していた親友の居場所を教えてくれるのなら、スチャンは情報提供のお礼をする事は何も気にしない。

グミから受け取ったメモを見て早々に『ソ・パルボク』に電話を入れた。

嬉しそうに電話をしているスチャンを見て、グミは久しぶりに夫の笑顔を見たような気がした。

いつも仕事に追われ、たまの日曜日も接待で家にいる事はなかった。

子供たちも手の掛る子供ではなく、スンジョはパラン高校で一番の成績で、二男のウンジョはまだ幼いが、兄のスンジョの真似をしているからか、幼くても割としっかりとしていた。

難点は二人の息子は少々捻くれた性格で、特に兄のスンジョは母親としては心配だった。

他の家庭のお母さんからすれば、「よくできた子供」だが、あまりにも苦労をしないで物事が出来るから、世の中を冷めた目で見ている。

「ママ、連絡が付けたよ。それでね、何とギドンの娘はスンジョと同じパラン高校の3年だそうだよ。」

「まぁ!なんて偶然なの?きっとパパの親友の娘ならいい子よね。」

そうよね。

パパがずっと探していた親友の娘さんならいい子に決まっているわね。

そんな子が家にいたら、あの無愛想なスンジョの性格が変わるかもしれないわね。

一緒に暮らす事が出来たら・・・・・

そうだ!

いい考えがあるわ。

「パパ、ギドンさんは何て言っていたの?ここに来てくれるって?」

「遠慮していたが、困った時はお互い様だ。家が建つまで一緒に住まないかって言ったら、それならって・・・・・」

そうよ、家が建つまでの期間一緒に住んだら、スンジョとその娘さんと生活をするうちに、ニアミスがあって・・・・もしかしたら恋の花が咲くかもしれないわ。

そうなれば念願の娘を持つ事が出来る。

グミの妄想は、この家に借りに住むと言う事を聞いただけで、スチャンも知らない程に大きく膨らんでいた。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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