小さなライバル達(スンハ) 1
私、小学3年生。
好きな人は・・・・・いるよ。
どんな人かって?
背が高くて顔はあの年齢なのに綺麗な顔って言うのかな?
スポーツは何でも出来て、人は彼の事を天才と言っている。
でも、私は天才とは思わない。
好きだからよく観察をするのだけど、本当はバカなの。
乙女心を知らないんだから。
好きな女の子に意地悪をして嫌われるようにしてるんだけどね・・・・・・
「スンハ、どうしてさっきからずっとアッパの顔を眺めているの?」
この人は私のオンマで、最大のライバル。
「私の目に狂いはなかったわね!」
「何を言っているの?スンハは、だんだんおばあちゃんに似てくるわね。」
オンマはそう言って笑うけど、私の王子様はこう言うの。
「頼むから、お袋には似ないでくれ。」
って言うの。
無理だよ。
オンマとアッパの良い所をとったらおばあちゃんになるんだよ。
「私の王子様!姫は、淋しゅうござりますぅ!」
オンマであるハニを押し退けて、スンハは座っているスンジョの所まで走って行った。
氷の王子と言われたスンジョは、ハニに向ける笑顔とは違って、更に優しい笑顔を長女のスンハニ向けた。
「おいで、何していたんださっきから。」
スンハが大好きなアッパに抱き上げられたのを見たハニは、愛娘だろうとライバルに大好きなスンジョを横取りされてムッとした。
「スンジョ君~、スンハにそんな優しい笑顔を向けないで!」
ダイニングからリビングに小走りで走って来るハニに、スンジョは呆れたように大きな溜め息を吐いた。
「ハァ~何だよ。自分の娘にもお前は嫉妬をするのか?」
「だって・・・・」
ハニは、チラッとスンハの方を眺めた。
意地悪くニヤリと笑った顔は、あの出会った頃のスンジョにソックリだ。
「オンマ!走って転ぶといけないでしょ。」
「そうだぞ。お前のそのお腹にはオレの遺伝子を受け継いだ大切な命が宿っているのだから。」
ふて腐れるハニにだって守ってくれる可愛らしい王子がいる。
「アッパ!お姉ちゃん!僕のオンマを苛めないで!オンマは、僕が守ってあげるから!」
小さな両手を一杯に広げて、ハニの大きくなったお腹を守る仕草をした。
小さな王子スンリに守られたハニは、スンジョに向かってベロを出した。
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